訪問介護の新規利用者獲得に繋がる営業のコツとは?

2023/12/27

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訪問介護事業において、利用者獲得に向けた営業活動は必須となっています。

訪問介護事業所の営業活動においては、ブランディング戦略を立てることが大切です。

ブランディングとは、事業者への信頼や共感など、対象顧客における価値を訴求するマーケティングです。

ブランディングを行うには、サービスを提供する地域特性やニーズの洗い出し、さらに待機人数や人口動態などの細かな情報を分析するなど細かな数値を拾っていく作業が必須となります。

訪問介護事業所の営業先としては、以下が挙げられます。

居宅介護支援事業所
地域包括支援センター
病院
その他施設

日本が超高齢化社会に突入してから十余年経過し、介護事業所の数は年々増加しています。

その中でも訪問介護事業所の数はトップクラスに多く、全国に36,000件もあるため、新規利用者獲得のための営業活動が重要となります。

この記事では、訪問介護における営業のコツを伝授します。

訪問介護事業所の今後の課題は?

全国の介護事業所数は高齢化に伴い年々増加傾向にあります。

厚生労働省の「令和3年介護サービス施設・事業所調査」によると、訪問介護事業所の数は35,612件となっています。

訪問介護の利用者数については、厚生労働省が実施した「介護サービス施設・事業所調査」によると、地域によって格差があることが分かっています。

調査結果は全国的な傾向を示すものであり、地域ごとの詳細なデータは公表されていませんが、一方で別の調査によると、訪問介護の利用者数には地域差があることが分かっています。

例えば、人口10万人当たりの利用者数が最も多い県と少ない県とで3.9倍の大きな差異が生じていることが報告されています。

また、介護保険施設が少ない地域では、訪問介護の供給が多い傾向が見られることもあるようです。

このような地域差を解消するためには、地域特性に合わせたサービス提供や人材確保などが必要です。

また、2024年度の介護保険制度改定に伴い、訪問介護と通所介護を組み合わせた新しいサービスが創設される予定となっています。

これにより、訪問介護員・通所介護員双方の人材不足を補えるほか、訪問サービスと通所サービスを通じて、「切れ目のないケアを受けることができる」、「通所で明らかになった利用者の課題を訪問でフォローするなどより質の高いサービスが受けられる」など利用者にも大きなメリットのあるサービスとなっています。

ただし、訪問介護事業所にとっては競合他社の勢力が地域に及ぶ可能性も否定できず、新たな営業戦略が必要不可欠となります。

参考:「厚生労働省 新しい複合型サービス(地域包括ケアシステム) https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001140077.pdf

都道府県別訪問介護事業所数・利用者数

事業者数 利用者数
全   国 35,612 1,180,365
北 海 道 1,653 54,121
青   森 500 19,094
岩   手 352 12,206
宮   城 499 14,211
秋   田 263 10,368
山   形 215 6,964
福   島 468 18,016
茨   城 532 20,278
栃   木 382 12,066
群   馬 497 15,662
埼   玉 1,423 47,305
千   葉 1,575 56,264
東   京 3,228 126,440
神 奈 川 2,107 79,193
新   潟 396 13,972
富   山 254 9,976
石   川 249 8,054
福   井 157 4,735
山   梨 170 6,434
長   野 512 17,171
岐   阜 453 17,891
静   岡 692 25,249
愛   知 1,776 52,878
三   重 577 19,396
滋   賀 361 11,099
京   都 713 28,047
大   阪 5,201 154,240
兵   庫 1,847 55,813
奈   良 556 17,150
和 歌 山 532 19,373
鳥   取 124 3,929
島   根 219 6,902
岡   山 473 17,001
広   島 731 22,775
山   口 385 11,856
徳   島 326 9,710
香   川 295 9,695
愛   媛 450 13,865
高   知 211 6,282
福   岡 1,493 44,022
佐   賀 161 3,875
長   崎 357 11,735
熊   本 629 19,549
大   分 430 14,304
宮   崎 438 11,200
鹿 児 島 424 13,109
沖   縄 326 6,888

参考:「厚生労働省令和3年介護サービス施設・事業所調査の概況https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service21/dl/gaikyo.pdf

訪問介護事業所の営業の方法とは?

広告物を作成する

ポスターや折り込みチラシ、パンフレットのほか、卓上カレンダーなどの販促物を作成することで、地域の方々にも広く知ってもらうことができます。

また、HPを充実させ、事業所の雰囲気や特徴をアピールすることも必須です。

イベントへの参加

地域イベントへの参加や、介護に関する講演会などに登壇することで、訪問介護事業所の存在をアピールすることができます。

また、直接利益には繋がらないような地域ボランティアであっても、積極的に参加しておくことで地域に根ざした事業所へと発展する見込みがあります。

ケアマネージャーへの訪問

訪問介護の営業先については、居宅介護支援事業所や地域包括支援センター、医療機関が該当します。

それぞれの営業先のケアマネージャーとの付き合いを大切にしておくことで、利用者を紹介してもらい、サービス提供へ結びつけることが可能となります。

そのため、単に「自事業者のサービスを利用してほしい」と伝えるだけでなく、普段からケアマネージャーとコミュニケーションを取り、競合と差別化できている部分や自事業所の強みを積極的にアピールしておきましょう。

ただし、居宅介護支援事業所のケアマネージャーは、特定事業所集中減算を避けるため、特定の事業者だけにサービスを依頼することはありません。

要支援・要介護者のケアに合わせて、多くの事業所・施設の中から紹介先を選んでいます。

※特定事業所集中減算
居宅介護支援事業所のケアマネジメントについて、公正中立なプランの作成のために、同一の事業者によるサービス提供の偏りを防止するための減算です。

この減算は、同一法人による訪問介護等の提供総数が80%を超えた場合に、全員の居宅介護支援費を200点減算するものであり半年間適用されます。

新規利用者獲得に繋がる営業のコツとは?

訪問介護事業所の営業活動において、新規利用者獲得へ繋げるためには、営業マンとしての基礎的なスキルを磨くことが大切です。

営業の成否を分けるもっとも重要なスキルである事前準備力を身につけるためには、大局的なマーケティング分析から始めることが重要です。

顧客分析に加えて競合分析も行うと、より顧客の課題に添った提案ができるようになります。

また、顧客によってアプローチ方法の「やり方」「切り口」を工夫する柔軟性も必須です。さらに、顧客に対し効果的なアプローチをするには、コミュニケーションスキルだけでなく、相手の話を上手に聞くヒアリングスキル(傾聴力)も求められます。

コミュニケーションスキルの向上には論理的に分かりやすく、そして丁寧に必要な情報を伝えられる能力が必要です。

また、ヒアリングスキルの向上には、相手にできるだけ多く話をさせ、多くの言葉を引き出すことがコツとなります。

コミュニケーションスキルとヒアリングスキルの両方を駆使して、しっかりと相手の話に耳を傾けることで、会話の内容から相手が何に困っているのか、どのような解決策を求めているのかを読み取ることが可能となります。

基礎的な営業力に加え、事業所内では「利用者視点で考えること」と「フォローアップを徹底すること」が営業の成否を分けるコツとなります。

良い営業マンほど、利用者のニーズや課題を理解し、それに合わせた提案を行います。

例えば、利用者の生活スタイルに合わせたサービスや利用者とのコミュニケーションを重視したサービスなどが挙げられます。

また、交渉後には、迅速かつ丁寧なフォローアップを継続して行うことも重要です。

利用者からの問い合わせや要望に対して、迅速かつ適切に対応することで、信頼関係が深まります。

営業において大切なのはこの「信頼関係」です。「この事業所でサービスを受けたい」と利用者に求められるためには、営業マンとしての基礎的なスキルだけでなく、誠実で真摯に対応してくれることが絶対条件となります。

訪問介護の営業についてまとめ

2024年度には、訪問介護員と通所介護員の双方の人材不足を補う通所系サービスと訪問系サービスを組み合わせた新しい複合サービスが誕生します。

顧客から選ばれる訪問介護事業所になるには、利用者のニーズに沿ったサービス内容の検討や、営業戦略の見直しなど現状に満足せずブラッシュアップしていくことが大切です。

訪問介護事業所の半数は通所系サービス事業所も併せて運営しています。

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