BI(バーセルインデックス)の評価項目や特徴・メリットを解説!

2022/11/28

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介護報酬改定による「ADL維持加算」が導入されたことにより、「BI(バーセルインデックス)」という評価方法が、近年注目を集めています。

介護現場におけるBI(バーセルインデックス)は、要介護者のADL(日常生活動作)を簡易的に評価するために重要なものです。

10項目の評価により、要介護者の自立度が測れます。

本記事では、BI(バーセルインデックス)の概要として、その特徴やメリット・デメリット、評価項目について解説します。

バーセルインデックス(BI)とは?

BI(バーセルインデックス)は、ADL(日常生活動作)の評価方法の一つです。具体的には、食事や入浴、着替えなどの能力を評価するための指標です。

ここでは、ADLやBIとは何か、それぞれの概要を解説します。

ADL(日常生活動作)

ADLは、「Activities of Daily Living」の略で、「日常生活動作」を意味します。介護や看護、医療、福祉などの分野でよく使われる言葉の一つです。

日常生活動作として、以下のような動作が該当します。

・起居動作
・移乗
・移動
・食事
・更衣
・排泄
・入浴
・整容

このような動作について、「自立」「一部介助」「全介助」などに分類して見ていきます。要介護者が生活するうえでの動作状況を客観的に記録し、共有するのに有効です。

BI(バーセルインデックス)

BI(バーセルインデックス)とは、ADLを評価する指標の一つです。

その客観性の高さから、世界的に普及している評価方法であり、日本においても浸透しつつあります。

また令和3年度介護報酬改定において「ADL維持加算」の対象サービスが拡充したことからも、さらにBI(バーセルインデックス)が注目されているのが現状です。

評価項目は全10項目で構成されており、「できたこと」を15点・10点・5点・0点の4段階で評価していきます。100点満点での評価となります。

バーセルインデックス(BI)の目的

BI(バーセルインデックス)の目的

病院や介護施設において、患者や利用者のADL(日常生活動作)を評価するのが、BI(バーセルインデックス)の目的です。

リハビリや介護を行う際は、日常生活に必要な動作について、何がどれくらいできるようになったのかを観察、把握し、共有することは非常に重要です。

ところが介護職員や家族、また本人の主観のみでは、正しい評価は難しいと考えられます。

そこで有効なのが、BI(バーセルインデックス)を用いた評価です。短時間かつ客観的に評価しやすく、数値化できるため現状が共有しやすくなります。

バーセルインデックス(BI)の特徴

BI(バーセルインデックス)は、以下のように評価を行います。

・全10項目を評価する
・「できる」ADLを評価する
・各項目を0点〜15点で評価する
・0点~100点満点で評価する

このように評価するBI(バーセルインデックス)には、メリット・デメリットともにあります。

BI(バーセルインデックス)のメリット

BI(バーセルインデックス)で評価をするメリットは、次の4つです。

1.採点が簡単で、評価に時間を要しない
2.客観的な評価ができる
3.100点満点なので分かりやすい
4.世界共通の評価法である

BI(バーセルインデックス)によるADL評価は、環境や条件などは詳細に設定されていません。

そのため、誰でも短時間で評価しやすく、客観的な評価ができます。また100点満点評価なので、誰が見ても自立度がわかりやすいのもメリットとして挙げられます。

BI(バーセルインデックス)は世界共通の評価方法として活用されているので、日本以外の国でも評価内容が通じる点も、メリットとなり得ます。

BI(バーセルインデックス)のデメリット

1.評価内容が大まかである
2.細かいADL能力は把握しにくい
3.評価の根拠が明確でない

BI(バーセルインデックス)は、誰でも簡単に評価できる反面、細かい日常動作までは評価できないのがデメリットとして挙げられます。

また各項目について、評価区分が2〜4段階にしか分類されていないため、評価者によって差が生じる可能性もあります。

バーセルインデックスの評価項目

BI(バーセルインデックス)では、全10項目について0〜15点で評価します。「できる」ADLを評価するのがポイントで、得点が高いほど自立度が高いということになります。

ここでは、BI(バーセルインデックス)の評価項目と採点基準を紹介します。

①「食事」の採点方法

「食事」では、標準的な時間内に1人で食べることができる場合に「自立」と評価します。

1人で食べられる場合でも、食べ物を細かく切る必要があったり、時間がかかり過ぎてしまったりする場合には「部分介助」と評価します。

▼採点方法の例

点数
食事 10 自立(自助具などの装着可。標準的な時間内に食べ終える。)
5 部分介助(おかずを切って細かくしてもらう など)
0 全介助

②「移乗」の採点方法

BI(バーセルインデックス)における「移乗」には、ベッド上での動作も含まれます。ベッドでの寝返りや起き上がりなどの動作も採点対象です。

▼採点方法の例

点数
移乗 15 自立(歩行自立、車いすのブレーキやフットレストの操作も含む)
10 軽度の部分介助または監視を要する
5 座ることは可能であるが、ほぼ全介助
0 全介助または不可能

③「整容」の採点方法

「整容」には、洗面や整髪、歯磨き、髭剃りなど多くの動作が含まれます。すべて1人でできる場合に「自立」となり、10点と採点します。たとえば髭剃りで一部介助が必要な場合には、「部分介助」とします。

▼採点方法の例

点数
整容 5 自立(洗面、整髪、歯磨き、髭剃り)
0 部分介助
0 不可能

④「トイレ」の採点方法

ポータブル便器などの尿器を使用した場合でも、後始末までを自分で行える場合には「自立」となります。

▼採点方法の例

点数
トイレ 10 自立(衣服の操作、後始末も含む)

(ポータブル便器などを使用している場合は、その洗浄も含む)

5 部分介助(身体を支える、衣服・後始末に介助を要する)
0 全介助または不可能

⑤「入浴」の評価方法

「入浴」には、浴室を歩く、身体を洗う、浴槽をまたぐなどの動作が含まれます。そのため、比較的難易度の高い項目です。

手すりや補助具を使っている場合も、完全に1人で行えるならば「自立」と評価します。

▼採点方法の例

点数
入浴 5 自立(シャワーのみも含む)
0 部分介助
0 不可能

⑥「歩行」の評価方法

補助具とは、杖・義足・装具・松葉杖などです。たとえば、杖を使用していても45m以上歩ける場合には「自立」と評価します。

しかし歩行器を使用している場合は、「部分介助」となります。

▼採点方法の例

点数
歩行 15 45m以上の歩行、補助具(車いす、歩行器は除く)の使用の有無は問わない
10 45m以上の介助歩行、歩行器使用を含む
5 歩行不能の場合、車いすにて45m以上の操作可能
0 上記以外

⑦「階段昇降」の評価方法

BI(バーセルインデックス)による評価では、階段の段数は問いません。手すりや杖に頼らない場合には「自立」で10点、見守りが必要な人は5点を付けます。

▼採点方法の例

点数
階段昇降 10 自立(手すりや杖の使用の有無は問わない)
5 介助または見守りを要する
0 不能

⑧「着替え」の評価方法

「着替え」については、靴を履いたりファスナーを締めたりなど、すべて自分で行える場合に「自立」と評価します。

コルセットなど装具を装着している人が、手伝いが必要な場合には「部分介助」とします。

▼採点方法の例

点数
着替え 10 自立(靴、ファスナー、装具の着脱も含む)
5 部分介助(標準時間内に行える、半分以上できる)
0 上記以外

⑨「排便コントロール」の評価方法

「排便コントロール」については、浣腸や座薬の取り扱いまで自分で行える場合に10点とします。使用を手伝う必要がある場合には、5点を付けます。

▼採点方法の例

点数
排便コントロール 10 失禁なし

浣腸、座薬の取り扱いも可能

5 時に失禁あり

浣腸、座薬の取り扱いに介助を要する者も含む

0 上記以外

⑩「排尿コントロール」の評価方法

「排尿・排便コントロール」では、主に失禁の程度を評価します。「トイレ」動作と混同しないよう、注意が必要です。なお、常にオムツで排尿している場合は「全介助」とします。

▼採点方法の例

点数
排尿コントロール 10 失禁なし

尿器の取り扱いも可能

5 時に失禁あり

尿器の取り扱いに介助を要する者も含む

0 上記以外

評価する際の注意点

BI(バーセルインデックス)で評価する際は、点数が高ければよいというわけではないことを理解しておきましょう。

100点満点の採点結果で、高得点であればあるほど生活動作能力が高く、自立度が高いことになります。しかし評価の目的はあくまでも客観的な判断をすることです。また高得点だからといって、必ずしも日常生活がスムーズに送れるというわけではありません。

各項目ごとに判断することで、問題点を把握し、介護の質を高めることを目指しましょう。

BIの理解を深めて介護の質向上

BI(バーセルインデックス)は、ADL(日常生活動作)を評価する方法の一つです。「ADL維持加算」の評価方法として活用されていることから、近年注目を集めています。

100点満点の評価で、誰でも採点しやすく結果がわかりやすいのが特徴です。客観的に判断できるのも大きなメリットといえます。

介護従事者や家族、本人も、日常生活動作で「できること」を把握し、共有することでよりよい介護体制を構築することができます。