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【開業準備段階・経営段階別】障がい者施設経営における7つの課題とは

2022/11/20

障がい者施設とは、さまざまなハンデにより生活が困難な方へ障がい福祉サービスを提供する場所です。

具体的には、知的障がい・発達障がい・身体障がいなどの状態にある方が対象となります。

本記事では、障がい者施設に焦点を当てて、経営するうえでの課題や対応策について解説します。

開業準備段階と経営段階別によくある課題を取り上げていますので、新規開業を目指す方、経営状態の改善を図りたい方は、ぜひ参考にしてください。

障がい者施設とは

障がい者施設では、障がい福祉サービスを提供します。

障がい福祉サービスは、介護支援は「介護給付」、訓練等の支援は「訓練等給付」に位置付けられ、それぞれ利用時のプロセスや目的が異なります。

介護給付 居宅介護
重度訪問介護
同行援護
行動援護
療養介護
生活介護
短期入所(ショートステイ)
重度障害者等包括支援
施設入所支援
訓練等給付 自立訓練(機能訓練)
自立訓練(生活訓練)
宿泊型自立訓練
就労移行支援
就労継続支援A型(雇用型)
就労継続支援B型(非雇用型)
就労定着支援
自立生活援助
共同生活援助(グループホーム)

参照:厚生労働省『障害福祉サービスについて

障がい者施設の開業~経営までの流れ

障がい者施設の開業とはつまり、障がい福祉サービスの開業を意味します。

上述したように障がい福祉サービスにはさまざまな種類があるため、開業する障がい者施設によって手続きの詳細は異なります。

障がい者施設の開業から経営までの、大まかな流れは次のとおりです。

1.開業準備
2.事業計画の作成
3.
法人登記
4.
施設の手配
5.
従業員の採用
6.
指定申請手続き
7.
開業・経営開始

障がい者施設の経営課題

2020年から2021年にかけては、新型コロナウイルスの影響により、さまざまな業界で倒産件数の増加が見られました。それは福祉・介護業界も例外ではありませんでした。

東京商工リサーチによると、2020年の「障害者福祉事業」の倒産と休廃業・解散は、合計127件ということです。

2013年以来の7年ぶりに減少したものの、2019年に続き2年連続で100件を上回る結果となりました。

障がい者施設を安定経営に導くには、経営課題を知ったうえで経営戦略を練る必要があります。

参照:東京商工リサーチ『2020年「障害者福祉事業」倒産と休廃業・解散調査

開業準備段階の課題

障がい者施設経営における課題にはどのようなものがあるでしょうか。なかには、準備不足のために開業に至らなかったというケースもあります。

ここではまず、開業準備段階で注意したい問題を3つ取り上げます。

課題①明確な経営ビジョンがない

経営ビジョンが明確でなければ、施設の方針、サービスの方向性が定まりません。

事業のビジョンや施設のコンセプトをはじめとして、人材確保やサービスの質向上のための手法など、経営者が考えるべきことは多岐にわたります。

またそれを具現化するためには、時代のニーズを把握する力、関係法令や申請手続きを理解する能力も必要です。

経営ビジョンについては、従業員に周知し共通認識を持たせることも大切です。

課題②市場調査ができていない

市場調査が不十分だと、開業後に利用者が集まらないといった事態に陥ります。

障がい者施設を開業する際には、開業予定地と周辺エリアについて調査する必要があります。

たとえば、既存の障がい者施設とその利用者層、潜在利用者の存在、交通の便などです。

市場調査は、経営ビジョンを考えるうえでも重要な要素となります。

課題③従業員が確保できない

開業段階になっても、必要な従業員数が確保できていないケースがあります。

開業後に利用者が集まるかどうか懸念される方は多い一方、見落としがちなのが従業員の存在です。

そもそも障がい者施設の指定基準に満たないと、指定申請が通りません。経営体制によっては、基準ぎりぎりの採用人数だとうまく回らないこともあります。

また質の高いサービスを提供するためには、十分な人数を確保するとともに、優秀な人材を集めることも考えなければなりません。

経営段階の課題

入念な開業準備をして障がい者施設の開業に至ったものの、経営が軌道に乗らずに赤字経営となってしまうことがあります。

最悪の場合、廃業に陥るケースも考えられます。

経営段階の課題としてよくあるのが、以下の4つです。

課題④利用者が集まらない

利用者が集まらないことは、経営状況の悪化に直結します。

まずは障がい者施設の存在を知ってもらうことが大切です。そのためには、営業先や営業方法が適切か見直す必要があります。

「読んでもらえる」パンフレットやチラシの作成や、地域住民との交流、SNSの活用などが具体的な方法として挙げられます。

課題⑤有資格者・業界経験者が不足している

障がい者福祉に関連する資格や、経験を有する従業員が不足していると、安定したサービスが提供できないことがあります。

開業に必要な従業員数を確保することは重要ですが、人材の質も確保したいところです。

サービスの質に大きく影響する部分でもありますし、職種によっては加算の減算対象になる可能性もあります。

課題⑥人員配置や雇用形態が最適化されていない

人員配置や雇用形態への配慮が不十分だと、人件費が必要以上に高くなり赤字経営に陥ってしまいます。

「利用者〇名に対して常勤〇名」など、利用者区分に応じて適切な人員配置が必要です。

また運営に際して、社員と扶養内パート社員の割合を考えたり、雇用形態の多様化を図り人材確保したりするなど、最適化が求められます。

課題⑦加算の取得・更新が適切にできていない

算定可能な加算が取れていなかったり、更新がおろそかになったりしていると、収益が見込めなくなります。

障がい福祉サービスにおける収益は、取得している加算からの報酬が主です。算定可能な加算を適切に取得すること、毎年の変更届を提出することが、安定経営につながります。

福祉サービスの関連法令や制度は更新されることも多いため、法改正や制度改変などの動向をチェックしておくことも重要です。

障がい者施設の経営成功させるために

障がい者施設の経営における、よくある課題7つを紹介しました。これらをふまえて、経営を成功に導くにはどのような対策が必要なのか見ていきましょう。

対応策についても、開業段階・経営段階に分けて解説していきます。

開業準備段階での対応策

開業準備段階での対応策として重要なのは、経営の基礎的な部分をきちんと押さえることです。先述した課題をふまえると、以下のようなことが挙げられます。

・経営理念を明確する
・実現可能な事業計画を立てる
・余裕を持たせたスケジューリング
・マーケット調査を行う
・障がい者施設の現状課題とニーズの視察・把握
・有資格者を含めた人材を確保する

障がい者施設の開業には、法人登記や指定申請手続きなども必要で、開業準備として経営者がすべきことは多岐にわたります。

スムーズに進めるためには、開業支援サービスを利用するのも一つの方法です。

経営段階での対応策

経営段階での対応策としては、いかに安定・継続させるかがポイントです。

・さまざまな営業手法を取り入れる
・利用者やその家族との関係構築
・継続的に採用活動を行う
・採用後の教育制度を充実させる
・役職の付与や手当の支給などの待遇改善
・年度ごとに加算の見直しをする

利用者や従業員数は流動的です。その安定を目指すには、継続的な営業活動や採用活動が求められます。

また、質の高いサービスの提供や従業員の待遇改善によって、定着を図ることも大切です。

課題を解決して障がい者施設経営を成功させましょう

今回は障がい者施設の概要から、よくある課題7つと対応策について解説してきました。

開業準備段階と経営段階、各ステップで抱えがちな課題があります。

前者では経営の基礎を押さえることが大切であり、経営者は障がい福祉サービスに関する知識の習得や市場調査が欠かせません。

後者では安定と継続を目指すことがポイントとなり、利用者と従業員の確保について考える必要があります。

今回ご紹介した課題と対応策を参考に、障がい者施設経営を成功させましょう。