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介護事業所経営の課題とは?押さえておきたい5つのポイント

2022/11/20

介護保険法の施行に伴い、国内では介護事業所が至る所に存在しています。

介護関連事業を専門として事業展開する企業もあれば、異業種から参入する企業などさまざまです。

そんな数ある介護事業所のなかでも、経営がうまくいっている事業所もあれば、そうではない所もあります。

その違いはどこにあるのでしょうか。

本記事では、介護事業所の概要とともに、事業所でよくある課題をふまえて経営を成功させるためのポイント5つを解説します。

介護事業所とは

要介護者の増加に比例するように、介護事業所も増加傾向にあります。

要介護者を取り巻く環境や身体の状態によって、介護サービスのニーズはさまざまです。そのため介護保険法に基づく介護サービスは、全26種類にも上ります。

ここでは、介護事業所と介護施設の違いとともに、それぞれの種類について解説します。

介護施設との違い

介護施設とは、簡単に言うと要介護者が生活するための施設です。地方公共団体や社会福祉法人、医療法人、知事許可を受けた法人などが主な設置団体となります。

一方介護事業所は、訪問介護やリハビリ、福祉用具の提供など介護に関わるサービスを提供する所です。

自治体の指定を受けた事業者や、基準を満たした事業者が運営団体となります。

介護事業所に関しては、基準さえ満たせば一般的な会社や法人でも比較的経営を始めやすいのがポイントです。

介護施設・介護事業所の種類

介護施設の種類は、主に以下の3つに分類できます。

・介護保険施設
・特定施設

・高齢者向け住まい

介護事業所の種類は、介護サービスごとに分類されるのがポイントです。

・介護予防サービス事業所
・地域密着型介護予防サービス事業所
・介護予防支援事業所
・居宅サービス事業所
・地域密着型サービス事業所
・居宅介護支援事業所

いずれもさまざまな名称の施設や事業所があり、さらに細かく分類できます。介護サービスのニーズが高まるとともに、多様化しています。

介護事業所を経営するときによくある課題

介護に関するサービスを提供するのが介護事業所の役割ですが、経営にあたってはいくつかの課題があります。

経営を軌道に乗せるためには、一般的にありがちな課題について理解しておくことが重要です。

ここでは、介護事業所がどのような問題を抱えているのか解説します。経営に関わる課題3つは、以下のとおりです。

課題①人材確保・人材育成

介護事業所が経営難に陥る原因として、人材に関することが挙げられます。

一般的にもよく問題視されていますが、介護職は激務で薄給というイメージが根強くあります。そのため介護業界では人材確保が困難な状況です。

また良い労働条件を提供できなければ離職率も高まり、人材育成もうまくいきません。介護ビジネスは対人サービスが中心であり、経営の要です。

介護業界に適した優秀な人材がいなければ、安定した経営は難しくなります。

高品質なサービスの提供、サービス利用者確保のためには、人材確保・人材育成が重要なポイントです。

課題②過当競争の現状

介護サービスを行う企業が増えるとともに、介護業界でも競争化が進んでいます。

介護保険制度により、介護事業とは無縁だった民間企業も介護ビジネスへ参入しやすい環境となりました。当初は運営すればそれなりに経営が成り立っていました。

ところが参入する企業が増えるにつれ、地域やサービスによっては過当競争となっているのが現状です。

高齢者やその家族のニーズに応える的確な経営を行うとともに、ほかの事業所との差別化が求められます。

課題③経営資金の確保

経営資金を十分に確保しておくことが、安定した経営には欠かせません。

介護事業の主な収入源は、利用者負担分・介護給付費の介護報酬です。それぞれ入金のタイミングが異なるため、その点を考慮しながら資金計画が必要です。

具体的には、利用者負担分はサービス利用の翌月、介護給付費はサービス提供後の翌々月に入金されます。

つまりサービス提供の2〜3か月後に全額入金されることとなるため、開業時には特に十分な資金を用意しておくのがポイントです。

思うように利用者が増えず、早々に運転資金が底をついてしまうケースもあります。

介護事業所経営を成功させるためのポイント5つ

開業すればそれなりに利益が生じる時代はもう終わりました。介護サービスとその利用者に真摯に向き合い、選ばれる事業所を目指して経営戦略を立てるのが重要です。

介護事業所が抱える課題をふまえて、安定した経営をするためのポイントを5つ紹介します。

ポイント①従業員の待遇改善

人材確保のためには、待遇や条件の見直しが必要なケースがあります。特に、求職者が集まらない、離職率が高いといった場合には改善策を考えましょう。

単に賃金を挙げるだけでなく、有資格者や勤続年数に応じて、役職の付与や手当の支給といった方法もあります。

このような待遇改善は、求職者を集めたり、従業員のモチベーションを高めたりするのに有効です。

ポイント②勤務形態の多様化

さまざまな勤務形態を取り入れることで、適切な人員配置がしやすくなります。

勤務形態にバリエーションを持たせることで、短時間勤務や、夜勤を中心に働きたい人など希望のスタイルで働くことが可能です。

すると新規スタッフも確保しやすくなり、離職率が低減できる可能性もあります。

時間ごとに安定してスタッフを確保できるようになると、長時間労働や連続勤務などによるスタッフの負担を抑えることにもつながります。

ポイント③教育・研修制度の充実

人材育成のためには、教育・研修制度を充実させることも大切です。

職員のスキルアップを図ることは、介護事業所のサービス向上につながり、ひいては安定経営へと発展します。

例えば以下のような教育制度や研修制度が有効です。

・新人職員:基礎的な教育・研修
・中堅職員:リーダーシップ研修
・管理職:経営・労務管理の教育
・全職員:スキルアップ・資格取得を目的とした教育

受講者によって内容を変えるのがポイントです。

ポイント④時代に即した効率的な経営

時代のニーズや、利用者及びその家族が求めるものに応じたサービスの提供が必要です。

地域やサービスの種類によっては、飽和状態となっている部分もあります。そのような中で生き残るには、時代に即した経営スタイルを確立させる必要があります。

新規サービスの導入により他社との差別化を図るのも有効です。

システム導入により自動化することで、業務効率化を目指すのもひとつの方法です。

ポイント⑤健康経営のための資金計画

十分な運転資金を確保し、適切な資金計画を立てることも重要です。

介護事業所の開業には、200万円〜1,000万円程の資金が必要だとされています。このように幅があるのは、介護サービスの種類や事業所の規模によって大きく異なるためです。

開業資金の調達方法としては、自己資金や金融機関からの融資、そして助成金があります。

助成金など国や自治体の制度は改訂されるケースも多いため、条件や申請方法、助成内容については最新の情報を確認しておく必要があります。

ポイントを押さえて安定した事業所経営を目指しましょう

今回は、介護事業所の概要、事業所でよくある課題、経営を成功させるためのポイントについて解説しました。

人材確保・教育、過当競争、経営資金などが課題として挙げられます。

解決するには、従業員の待遇改善や勤務形態の多様化、教育制度の充実などによって優秀な人材の確保が重要です。

そのほか、時代に即した経営による他社との差別化、入念な資金計画も欠かせません。

これからは、従業員や利用者から「選ばれる」介護事業所を目指すことが大切です。