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個別機能訓練加算とは~介護サービスの種類別に確認
2023/12/27
個別機能訓練加算はいくつかの介護保険サービスにおいて機能訓練指導員を配置し、作成した個別機能訓練計画書に従って、利用者に機能訓練を実施する取り組みを評価する加算です。
令和3年の介護報酬改定では、一部の算定要件や単位数が見直されています。今回は介護サービスの種類別に個別機能訓練加算を確認します。
目次
個別機能訓練加算が算定できる介護保険サービス
以下の介護保険サービスにおいて個別機能訓練加算が算定できますが、算定要件はそれぞれ異なる部分があるため注意が必要です。
通所介護・地域密着型通所介護
通所介護はデイサービスとも呼ばれ、利用者が施設に通って食事や入浴、機能訓練などの介護サービスを受けるものです。
地域密着型通所介護は事業所の利用定員が18名以下であり、基本的に事業所の所在する市町村に住民票がある要介護高齢者が利用できます。
短期入所生活介護
短期入所生活介護はショートステイとも呼ばれ、利用者が短期間施設に入所して食事や入浴、排せつなどの介護や日常生活上の世話及び機能訓練などを受けるものです。
特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護
特定施設入居者生活介護は、特定施設に入居して日常生活の世話や機能訓練、療養上の世話を受けるものです。
特定施設は、有料老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス)、養護老人ホーム、有料老人ホームに該当するサービス付き高齢者向け住宅を指します。
地域密着型特定施設入居者生活介護は事業所の入居定員が30人未満であり、基本的に事業所の所在する市町村に住民票がある要介護高齢者が利用できます。
介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
介護老人福祉施設は特別養護老人ホームとも呼ばれます。施設に入所して入浴や排せつ、食事等の日常生活の世話や機能訓練、健康管理や療養上の世話を受けるものです。
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護は入所定員が30人未満の施設を指します。
認知症対応型通所介護
認知症対応型通所介護は認知症の利用者が通所介護の施設に通い、食事や入浴などの日常生活の支援や機能訓練などを受けるものです。
認知症の専門的なケアを提供する通所介護といえます。
通所介護・地域密着型通所介護の個別機能訓練加算
通所介護・地域密着型通所介護では、個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロ、個別機能訓練加算(Ⅱ)があります。
個別機能訓練加算(Ⅰ)のイとロは、それぞれ算定要件と単位数が異なり、併算定ができません。
個別機能訓練加算(Ⅱ)は個別機能訓練加算(Ⅰ)に上乗せして算定することができます。
単位数
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・・・56単位/日
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ・・・85単位/日
個別機能訓練加算(Ⅱ) ・・・20単位/月
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ・ロの算定要件
・機能訓練指導員が利用者の居宅を訪問し、ニーズを把握するとともに、居宅での生活状況を確認する。
(Ⅰ)イ:専従1名以上配置。(配置時間の定めなし)
(Ⅰ)ロ:専従1名以上配置。(サービス提供時間帯通じて配置)
※人員欠如減算・定員超過減算を算定している場合には、個別機能訓練加算を算定しない。
※イは運営基準上配置を求めている機能訓練指導員により満たすこととして差し支えない。ロはイに加えて専従で1名以上配置する。
・居宅訪問で把握したニーズと居宅での生活状況を参考に、多職種共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること。
・利用者の心身の状況に応じて、身体機能及び生活機能の向上を目的とする機能訓練項目を柔軟に設定する。訓練項目は複数種類準備し、その選択にあたっては利用者の生活意欲が増進されるよう利用者を援助する。
・5人程度以下の小集団又は個別の利用者を対象として実施する。
・機能訓練指導員が直接実施すること。(介護職員等が訓練の補助を行うことは妨げない。)
・3月に1回以上実施し、利用者の居宅を訪問した上で、居宅での生活状況を確認するとともに、当該利用者又はその家族に対して個別機能訓練計画の進捗状況を説明し、必要に応じて個別機能訓練計画の見直しを行う。
個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件
加算(Ⅰ)に加えて、個別機能訓練計画等の内容を厚生労働省に提出し、フィードバックを受けていること。(LIFEへのデータ提出とフィードバックの活用)
短期入所生活介護の個別機能訓練加算
短期入所生活介護では、以下の要件を満たした場合に56単位/日が算定できます。
・専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置する。
・機能訓練指導員と他職種が共同して、利用者の生活機能向上に資するよう利用者ごとの心身の状況を重視した個別機能訓練計画を作成していること。
・個別機能訓練計画にもとづき、利用者の利用者の生活機能向上を目的とする機能訓練の項目を準備し、機能訓練指導員が利用者の心身の状況に応じた機能訓練を適切に提供していること。
・機能訓練指導員が利用者の居宅を訪問したうえで個別機能訓練計画を作成し、その後3月ごとに1回以上、利用者の居宅を訪問した上で、居宅での生活状況を確認するとともに、当該利用者又はその家族に対して個別機能訓練計画の進捗状況を説明し、必要に応じて個別機能訓練計画の見直しを行う。
特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護の個別機能訓練加算
特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護では、個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)があります。
個別機能訓練加算(Ⅱ)は、個別機能訓練加算(Ⅰ)に上乗せして算定することができます。
単位数
個別機能訓練加算(Ⅰ) ・・・12単位/日
個別機能訓練加算(Ⅱ) ・・・20単位/月
※(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算可。
個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件
・専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置する。
入所者の数が100名を超える場合は、専ら機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士等を1名以上配置し、かつ機能訓練指導員として常勤換算法で入所者の数を100で除した数値以上配置していること。
・機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとにその目標、実施方法等を内容とする個別機能訓練計画を作成し、これに基づいて行った個別機能訓練の効果、実施方法等について評価等を行う。
・個別機能訓練を行う場合は、開始時及びその3月ごとに1回以上利用者に対して個別機能訓練計画の内容を説明し記録する。
・個別機能訓練に関する記録は利用者毎に保管され、常に当該施設の個別機能訓練の従事者により閲覧が可能であるようにする。
個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件
前記の個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件と同様。
介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護の個別機能訓練加算
介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護の個別機能訓練加算については、単位数、算定要件共に特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護の個別機能訓練加算と同様です。
認知症対応型通所介護の個別機能訓練加算
認知症対応型通所介護は、個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)があります。
個別機能訓練加算(Ⅱ)は、個別機能訓練加算(Ⅰ)に上乗せして算定することができます。
単位数
個別機能訓練加算(Ⅰ) ・・・27単位/日
個別機能訓練加算(Ⅱ) ・・・20単位/月
※(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算可。
個別機能訓練加算(Ⅰ)の算定要件
・認知症対応型通所介護を行う時間帯に1日120分以上、専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等を1名以上配置していること。
・機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、利用者ごとにその目標、実施方法等を内容とする個別機能訓練計画を作成し、これに基づいて行った個別機能訓練の効果、実施方法等について評価等を行う。
・個別機能訓練を行う場合は、開始時及びその3月ごとに1回以上利用者に対して個別機能訓練計画の内容を説明し、記録する。
個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件
前記の個別機能訓練加算(Ⅱ)の算定要件と同様。
機能訓練指導員とは
個別機能訓練加算における機能訓練指導員は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師、一定の実務経験を有する鍼灸師を指します。
算定要件の中に記載されている「理学療法士等」はこれらの有資格者である職員です。
個別機能訓練加算とは
機能訓練指導員を配置し、作成した個別機能訓練計画書に従って、利用者に機能訓練を実施する取り組みを評価する加算です。
介護保険サービスの種類によって、算定要件や単位が異なります。
適切に加算を算定するために、不明点や詳細については指定権者である自治体に確認しましょう。