訪問看護ステーションの集客に役立つ 営業に効果的なチラシとは

2023/09/08

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超高齢社会の日本において、今後も訪問看護の需要は増加していくと予想されます。

在宅医療や在宅介護に欠かすことのできない訪問看護事業ですが、利用者を確保できずに廃業をしてしまう事業所があることも事実です。

今回は、訪問看護ステーションの集客に有効な営業手段のひとつである「チラシ」について考えてみましょう。

訪問看護ステーションの営業とは

訪問看護ステーションのスタッフの多くは保健師や看護師、リハビリ専門職など医療にかかわる専門職であり、営業の経験が無い人が多いと考えられます。

経営者や事務スタッフの中に営業が得意な人がいればよいですが、そうでない場合には、営業といっても何から始めればよいのか迷うもの当然です。

訪問看護ステーションを利用できる人

訪問看護ステーションを利用できるのは、疾病や障がいなどにより療養しながら自宅で生活をしいて、主治医が訪問看護が必要であると認めた人です。

小児から高齢者まで年齢にかかわらず利用でき、条件によって介護保険または医療保険が適用されます。

要介護認定を受けている人は原則として介護保険が適用されますが、疾患の内容や状況などによっては医療保険が適用されることもあります。

訪問看護ステーションを利用できる人

営業の対象

営業の直接の対象となるのは利用者とその家族ですが、訪問看護を利用するには主治医の指示が必要であるため、医療機関は営業の対象となります。

また介護認定を受けている人にはケアマネジャーが訪問看護ステーションを紹介することも多いので、ケアマネジャーが在籍する居宅介護支援事業所は営業の対象です。

病院、診療所などの医療機関

病院内の地域医療連携室や退院支援室、相談室などと呼ばれる部署では、ソーシャルワーカーなどが在籍し、退院後の生活について相談や調整を行っています。

退院後は地域の診療所やクリニックが在宅療養者の主治医となることも多いため重要な営業先であり、良好な関係を作っておくことが理想です。

地域包括支援センター・居宅介護支援事業所

地域包括支援センターは市町村が設置している高齢者の相談窓口です。

主に要支援の介護認定を受けている高齢者のケアプラン作成や、高齢者を介護や医療などの適切なサービスにつなげるハブ的な役割があります。

介護支援事業所は要介護の認定を受けた高齢者の居宅介護支援をしており、ケアマネジャーが在籍しています。

担当する高齢者に適切な医療や介護サービスを提案・紹介することは大切な業務であり、どちらも重要な営業先と考えられます。

その他

その他にも、高齢者やその家族などが定期的に通うような場所も営業先と考えることができます。

処方箋薬局や歯科医院などは高齢者やその家族が通うということだけでなく、地域の在宅医療の協力先でもあるため、直接集客につながることは少ないかもしれませんが、良好な関係があれば理想的です。

営業ツール

近年では、ホームページやSNSなどインターネットを利用した営業も一般的となっていますが、パンフレットやチラシなどの紙媒体も集客には効果的です。

ホームページなどでの発信は興味を持った人からの検索で閲覧されるので、必要な情報や伝えたい内容をまとめて掲載しておくことで問い合わせや資料請求などにつながる可能性があります。

またSNSは情報の拡散性が高く新しい情報を短時間で広く伝えることができますが、頻回に情報を更新していくことが求められ、古い情報をそのままにしておくことで情報が埋もれてしまったり、不信感につながる可能性もあります。

パンフレットやチラシ、名刺などは対面での営業には欠かせないツールであり、地域や対象者を限定して配布することができます。

チラシの効果

対面営業では必須ともいえるチラシですが、具体的にはどのような効果があるのか考えてみましょう。

計画的に配布できる

需要が大きいと予想されるエリアから優先的に配布することができ、チラシの配布エリアや配布場所、枚数などを記録しておくことで、反響を検証することができます。

実際に足を運んでチラシを配布することで、病院や居宅介護支援事業所などの場所や雰囲気、周辺の環境などを確認することもでき、実感として得られる情報量が多いこともメリットです。

多くの情報を伝えることができる

訪問看護ステーションの営業先となるのは多忙な職場が多く、ゆっくりと時間をかけて説明が難しいことがほとんどです。

しかし実際に足を運んで挨拶をしておくことは、お互いの関係を築くためにも大切です。少ない時間でも必要な情報を伝えることができるのがチラシです。

見返すことができる

その場ではじっくりと見てもらえなかったとしても、必要性が生じたときに思い出して見返してもらえるのがチラシです。

見返してもらったり、必要な方々に渡してもらうためには、手元に保管してもらわなくてはなりません。

すぐにゴミ箱行きにならない、印象に残るチラシであることが大切です。

訪問看護のチラシの作り方

チラシは自作することも、制作会社に依頼することもできます。

無料のテンプレートをダウンロードして編集することで、自作でも比較的簡単に作ることができます。

データが手元にあれば情報の修正や更新がいつでもできて、少ない枚数でも作ることができるので便利ですが、プリンターや用紙によってチラシの完成度が影響されることがあります。

制作会社への依頼もインターネットで簡単にでき、質の良いチラシを作ることができますが、欲しいときにすぐ用意できなかったり、校正や確認のやりとりにも時間がかかります。

どちらにもメリットとデメリットがあるので、手間と費用を考慮して決めましょう。

訪問看護のチラシの作り方

記載事項

必ず記載するのが事業所名、住所、電話・FAX番号、メールアドレスなどの基本情報です。

特に事業所名と電話番号は目立つように記載する方がよいでしょう。次にサービスの内容、利用料金、営業日時、対応エリアなどは利用者が知りたい情報なので漏れなく記載が必要です。

集客に最も重要ともいえるのが、その訪問介護ステーションの特徴や利用するメリット、他事業所との違いなどを、具体的に簡潔でわかりやすい言葉でアピールすることです。

チラシ上で全てを説明するのは難しいので、強みをアピールすることを優先しましょう。

興味をもってもらえれば、詳細は後日説明できます。さらに紙面に余裕があれば、事業所の地図や事業所の理念・方針、スタッフの職種や資格などを記載しましょう。

デザイン

高齢者が見る可能性も高いので、字の大きさだけではなくフォントや太さ、色などにも見やすいよう配慮が必要です。

カラフルなチラシは目立つかもしれませんが、文字情報が伝わりにくいことがあります。

色は3色を基本として、背景や余白部分の基調となるベースカラーを70%、伝えたいイメージに合ったメインカラーを25%、メリハリをつけるアクセントカラーを5%が基本的な色の配分比率といわれています。

文字情報が多すぎると読み手の負担となり、むしろ読んでもらえないことになりかねません。

余白と文字の大きさにメリハリをつけることで文字情報に優先順位をつけたり、写真やイラストを活用して、文字では伝えにくい情報をイメージで伝えましょう。

デザイン

チラシ配布の方法

訪問看護はサービスの性質上、人と人との信頼関係を築くことが必要なこともあり、挨拶を兼ねてチラシを手渡しする効果は高いといえます。

対面営業では第一印象が重要なので笑顔で挨拶をしてから端的にアピールポイントを説明し、初回はチラシを渡すことを目標としましょう。

しかし新型コロナウイルスの拡大以降、飛び込みの営業は断られる可能性も高くなっているのも事実です。

そのような場合は無理せず、チラシだけを渡して引き上げるのも重要です。

反響を把握する

営業の反響を確認するためには、チラシを配布したときの詳細を記録しておくことが必要です。

チラシの配布日時、場所、配布数、配布方法、相手の対応(対面できたか、対応者の職種、会話の内容、印象など)を記録しておき、反響率と合わせて見返すことで次回以降のチラシの内容や配布方法に反映させることができます。

反響率とは、問い合わせなどの反響数をチラシの配布部数で割った割合のことで、次の式で計算できます。

反響率(%)=反響数/チラシ配布部数×100

定期的に配布する

チラシの配布は定期的に行うのが理想的です。チラシはその内容や季節ごとにリニューアルしましょう。

記載内容に変更があった場合はできるだけ速やかに配布し、対面時に口頭でも伝えることができれば間違いありません。

前回対面を断られた場合には、郵送でチラシを送るという方法もあります。

訪問看護ステーションの集客に役立つ 営業に効果的なチラシとは

訪問看護はサービスの性質上、人と人との信頼関係を築くことが集客にも重要と考えられ、対面でチラシを配布することは有効な営業方法といえます。

訪問看護ステーションの強みをアピールし、見返してもらえる印象的なチラシ作成を目指しましょう。