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高齢者レクリエーションの目的と種類 みんなで盛り上がることが大切!
2023/02/21
デイサービスや老人ホームなどの介護施設では、利用者である高齢者を楽しませるためのレクリエーションが行われます。
道具なしでできるものや、簡単な準備でできるものなど、バリエーションはさまざまです。
レクリエーションに参加することで、認知機能や筋肉の維持に役立つこともあるので、実践するメリットは大きいと考えられています。
レクリエーションを行うときは、なるべく全員が参加できて盛り上がれるものを選ぶのがポイントです。
今回は、高齢者レクリエーションの目的と種類を紹介します。
目次
高齢者レクリエーションとは
高齢者レクリエーションとは、デイサービスや老人ホームにおいて、利用者に軽い運動やゲームなどを楽しむことです。
介護施設における単なるサービスではなく、高齢者にとってさまざまなメリットをもたらすことから、積極的に取り入れられています。
高齢者レクリエーションを行う人は、その目的や期待できる効果、みんなに楽しんでもらうためのポイントを理解しておくことが重要です。
高齢者レクリエーションの目的と効果
高齢者レクリエーションにはたくさんの種類がありますが、すべてのレクリエーションに取り組む意味があります。
高齢者の生活や身体機能の維持を考えるうえで、さまざまな効果が期待できるためです。
ここでは、高齢者レクリエーションを行う目的や効果について解説します。
①身体機能や脳機能の維持・向上
レクリエーションに軽い運動を取り入れることで、身体機能の維持や向上の効果が期待できます。
とくに施設生活している高齢者は運動不足になりがちなので、レクリエーションを通して適度な運動を行うことは効果的です。
また、脳を使う知的ゲームは、脳機能を活性化するのに有効です。認知症予防にもつながります。
②社会生活の維持
体が衰えて外出することが減ったり、施設への入居が長期になったりすると、人とのコミュニケーションの機会が現象します。すると、孤独感を感じやすくなります。
レクリエーションに参加することで、他者とのコミュニケーションをとる機会が生まれ、社会性の維持といった効果が得られます。
③心身のリフレッシュ効果
介護が必要となった高齢者は、自宅から出ることが困難で引きこもりがちです。
施設に入居している高齢者も、施設内で過ごすことがほとんどで、ストレスが溜まりやすい環境にあります。
レクリエーションへの参加が、ストレス発散や気分転換に有効です。日々の生活にメリハリがつき、心身のリフレッシュにつながります。
④QOL(生活の質)の向上
レクリエーションへの参加は、高齢者にとっての生きがいや楽しみ、充実感につながります。
高齢者の生活はどうしても単調になりやすいため、レクリエーションに参加することで人と触れ合い楽しい時間を共有することは、高齢者にとって大きな意味を持ちます。
心身機能の向上に加えて、人とコミュニケーションをとり社会生活を維持することは、QOLの向上にも有効です。
高齢者レクリエーションの種類と具体例
デイサービスや老人ホームなどの介護施設で実施されるレクリエーションには、たくさんの種類があります。
それぞれ期待できる効果やメリットが異なるため、レクリエーションの特徴を知っておく必要があります。
体を動かすレクリエーション
体を動かすレクリエーションは、リハビリ効果に加えて、ストレス解消にも有効です。
レクリエーションを通して体を動かすことで、心身機能の維持や向上、寝たきり防止につながります。
運動が苦手な方や、片麻痺などがある方でも行えるレクリエーションもあるので、一人ひとりの健康状態に合わせて実施しましょう。
▼体を動かすレクリエーションの例
・ラジオ体操
・ダンス
・ジェスチャーゲーム
・フルーツバスケット
・玉入れ
・お手玉
・ボーリング
・輪投げ など
手先・指先を使うレクリエーション
手先・指先を使うレクリエーションは、器用さや思考力が求められます。
脳の活性化につながるほか、一つの作品を完成させることで達成感が得られます。
▼手先・指先を使うレクリエーションの例
・手芸
・折り紙
・塗り絵
・書道
・生け花
・お菓子作り など
頭を使うレクリエーション・ゲーム|なぞなぞ・トランプなど
頭を使うレクリエーションは、認知症の予防や、進行をゆるやかにする効果が期待できます。
体を自由に動かせない高齢者でも参加しやすいメリットもあります。
▼頭を使うレクリエーションの例
・パズルゲーム
・トランプ、かるたなどのカードゲーム
・なぞなぞ
・オセロ
・将棋
・クロスワードパズル など
リラックス目的のレクリエーション
リラックス目的のレクリエーションには、ストレスを解消したり、気持ちを落ち着かせたりする効果が期待できます。
みんなで一緒に歌う、音楽を聴くだけでもリラックスすることが可能です。比較的参加のハードルが低いことも特徴として挙げられます。
▼リラックス目的のレクリエーションの例
・カラオケ
・音楽を聴く
・森林浴
・ヨガ
・動物とのふれあい(アニマルセラピー)
・アロマセラピー など
高齢者レクリエーションに必要な準備
レクリエーションを行う場所や内容によっても準備は異なりますが、共通して必要なものとしては、以下の3つが挙げられます。
1.参加者の特性を把握する
2.会場の設営
3.小道具の準備
まずは、レクリエーションに参加する高齢者のことについて、よく理解しておくことが大切です。
一人ひとりの身体状況に加え、出身地や趣味などパーソナルな情報を把握しておくとよいでしょう。
レクリエーション作りの参考になったり、会話のきっかけ作りに使えたりします。
そして、会場の設営を行うときは、参加者の座る位置や進行役の立ち位置などを考えることがポイントです。
小道具の準備については、数が足りなくなってもすぐ対応できるよう、少し多めに準備しておくのがベターです。
レクリエーションを成功させるポイント
高齢者レクリエーションを参加者みんなに楽しんでもらうためには、いくつかのポイントがあります。
これらは実施する際の注意点でもあるため、しっかり把握したうえでレクリエーションを行いましょう。
①高齢者の自尊心を傷つけない難易度にする
できるだけすべての参加者が楽しめるように、レクリエーションの難易度を調整することがポイントです。
難易度が高すぎるレクリエーションの場合、人によっては楽しめないこともあります。
ただし、あまりに簡単すぎるとすると、馬鹿にされたような気持ちになってしまう人もいます。
難易度があまりにもマッチしていない内容だと、自尊心を傷つけてしまう可能性もあるため配慮が必要です。
進行するときは、年上を敬う気持ちを忘れないことも大切です。
②安全は充分に配慮する
レクリエーションを実施するときに欠かせないのが、安全面への配慮です。
とくに体を動かす高齢者レクリエーションでは、転倒によるケガや持病の悪化につながる可能性があります。
そのほか、ハサミや針などを使うレクリエーションにおいても、徹底した配慮が求められます。
③参加の可否は高齢者自身の意志を尊重する
高齢者レクリエーションはみんなで盛り上がることがベストですが、参加するかどうかは高齢者自身の希望が最優先です。
ストレスが溜まったり、体調が悪化したりする可能性があるため、ご本人の意思に反して参加させることは避けましょう。
実施する前に、必ずご本人の意思を確認しましょう。
④説明や進行は聞き取りやすさを重視する
レクリエーションの説明をしたり、進行していくときは、大きな声ではっきり話すことがポイントです。
聞き取れずに内容が理解できないと、参加意欲がそがれることもあるので、聞き取りやすさを意識して話しましょう。
参加者の理解度を確認しながら進行していくことも大切です。
⑤高齢者同士のコミュニケーションをサポートする
レクリエーションに参加する高齢者のなかには、コミュニケーションが苦手な方もいます。
参加者同士のコミュニケーションが活発になることで、レクリエーションがより楽しめるようになります。
レクリエーションを円滑に進めるためにも、年齢の近い同性の人を紹介するなどして、コミュニケーションのきっかけ作りをしましょう。
楽しいレクリエーションを実施しよう
高齢者レクリエーションは、みんなで盛り上がることでより楽しめます。
心から楽しんで参加してもらうことで、高齢者の意欲を引き出したり、コミュニケーションを活性化させたりすることにつながります。
そのためには、レクリエーションを実施する側の適切な配慮が不可欠です。
一人ひとりの特性や人間性を把握したうえで、敬意を払って取り組むことが求められます。
今回ご紹介したレクリエーションの効果や実施ポイントをふまえて、参加者みんなに喜んでもらえるようなレクリエーションを計画しましょう。