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介護業界でのAI導入は急務!?活用方法とメリットを解説
2023/02/21
AI技術はすでにさまざまな業界で導入されていますが、介護業界においてもAIの活用が急務だといわれています。
介護業界で抱える問題の解決に有効だと考えられるためです。
介護事業所のなかには、「AIってなんだか難しそう」「介護現場でどう活用できるか分からない」などと、AI導入が検討段階のまま進まないケースも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、AIを活用することのメリットや実際の活用事例を紹介します。
目次
介護業務でAIの活用が求められる背景
介護業界でAI技術が必要だとされていることには、いくつかの社会的背景が考えられます。
超高齢社会に突入した日本において、介護業界で慢性的な人材不足が生じていることが主な要因です。
延び続ける平均寿命
国内の平均寿命が延びていることから、高齢者が増加しているのが日本の現状です。
平均寿命とは、「ある年の死亡率が変わらないと想定し、ある年に生まれた0歳児が何年生きるか推計したもの」です。
平均寿命が伸び続けている理由としては、公衆衛生の充実や医療の進歩、栄養状態が良好であることが考えられます。
このように高齢者が増加している一方で、出生率の低下が問題となっているため、社会保障関連費や人材といった点で高齢者を支えることが困難な状態です。
そこで、AI技術の活用が期待されているのです。
【2025年問題】介護業界における人材不足の深刻化
2025年には、団塊の世代と呼ばれる世代が75歳以上となります。
団塊の世代である約800万人が後期高齢者となることで、さまざまな影響をもたらすとされているのが、”2025年問題”です。
後期高齢者が増えると、さらに介護業界における人材不足が加速することが懸念されます。
介護業界では積極的に人材の採用を進めてはいるものの、介護従事者の母数が少ないことから、人材の取り合いになっている現状もあります。
人材を補うだけでなく、働きやすい環境整備を目的とするAIの導入が求められています。
介護業界におけるAIの活用方法とは
すでに多くの介護事業所において、AIが活用されています。導入を検討する際は、導入事例やその効果を参考にするとよいでしょう。
①ケアプランの作成
AIがこれまでに学習した専門知識や情報をもとに、ケアプランを作成するシステムがあります。
AIが要介護・要支援者に対して、将来の身体の状態を予測し、重症化を防止するための介護予防サービスを提案するというものです。
利用者一人ひとりに最適なケアプランを作成するのは、時間や手間がかかります。
AIを活用することで、業務負担軽減やケアマネジメントの質を向上させる効果が期待できます。
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②介護リフォームの見積作成
介護リフォームに関する見積作成で、AIを活用することも可能です。
専用端末でアプリを用いて、リフォーム対象の箇所を撮影することで見積もりが自動作成されます。
アプリで、自動採寸が行われ、適切な部材が選択できます。
時間が短縮されるだけでなく、介護リフォームの経験が浅いスタッフでも、一定のサービスの質を保つことができることがメリットとなります。
③送迎業務の効率化
介護施設まで利用者を送迎するときに、効率よく送迎計画が立てられるシステムもあります。
送迎については、利用者ごとに利用する曜日や時間、乗降にかかる時間、送迎ルートなどが異なります。
そのほか、車いす利用の有無や座席の位置、施設からの距離などさまざまな条件をふまえて送迎計画を考える必要があり、業務が煩雑化しがちです。
そこで有効なのが、送迎計画を作成するAIサービスです。個々の情報や送迎の実績を学習させることで、最適なプランを提案してくれます。
④見守り・行動モニタリング
AIを活用した見守りロボットが、介護現場で導入されている事例も増えてきました。
AI搭載のロボットは、要介護者とのコミュニケーションや、高齢者レクレーションなどに活用できます。
また介護施設において、入居者が異常な行動をしたときにAIが検知し、スタッフへアラート通知するといった、行動モニタリングできるシステムもあります。
介護施設だけでなく、在宅介護でも利用可能です。
⑤自立走行ロボットの活用
周囲の環境を認識したり学習したりできるAIを搭載し、2本のアームで物を掴むことも可能な自立走行ロボットが活用されている介護現場もあります。
介護現場における活用方法としては、以下が挙げられます。
・利用者とのコミュニケーション
・利用者の見守り
・部屋を抜け出したり、転倒したりした場合の緊急対応
・日用品や食事等の運搬 など
介護従事者の身体的負担を軽減できる技術として、広く活用されることが期待されています。
介護業界でAIを活用するメリットとは?
介護業界では慢性的に人材不足が問題となっており、今後さらに深刻化すると考えられています。
そのような事態を解決する方法の一つに、AI技術の活用が挙げられます。
介護業界でAIを活用するメリットについて、ここでは以下の3つを解説します。
・介護現場の業務効率化
・介護の質の向上
・介護利用者と家族の満足度向上
介護現場の業務効率化
AIの導入により、業務効率化が図れます。
例えば、従来はスタッフが考えたり手書き・手入力したりしていた業務を自動化することで、事務作業が軽減できます。
また利用者の見守り業務などをAIに任せることで、スタッフの業務負担が低減されます。
業務効率化の実現は、人手不足解消にも有効です。
介護の質の向上
人手不足が解消され、スタッフ一人ひとりの負担が軽減されることで、介護の質が高まることが期待できます。
事務作業が減り、スタッフが利用者と向き合う時間が増えること、介護スタッフとAI技術、両方の力が介護現場で活かされることによって、よりきめ細やかな介護サービスが提供できるようになるためです。
利用者や家族の満足度向上
介護の質が向上されることで、利用者やその家族の満足度にもつながります。
一人ひとりに向き合う介護サービスの提供に加えて、AIによる見守りサービスなどがあれば利用者も家族も安心して過ごすことが可能です。
満足度が高まれば、利用者の気持ちが前向きになったり、リハビリに積極的に取り組めるようになったりと、プラスαの効果も期待できます。
介護業界でAIを導入するときの注意点
国の方針としても、介護業界でAIを導入することが推進されています。
それを受けて、多くの介護現場ですでにAIが導入されています。被介護者やその家族、介護業界で働く人にとって、さまざまなメリットをもたらしますが、導入時には注意点もあります。
導入時のコストや維持費がかかることや、誤作動時の対応、スタッフへの教育が必要なことなどの問題です。
コスト面については費用対効果を考慮したり、補助金の利用を検討したりするとよいでしょう。
AIシステムを検討するときは、サポートが充実しているものを選択することも大切です。
介護現場における意識改革を図り、AIの積極導入を目指しましょう
介護業界では今後さらに人材不足が深刻化すると考えられていることから、AIの導入が急務だとされています。
AIを活用することで、介護スタッフの業務負担が軽減されることや、被介護者や家族の満足度が高まると期待されています。
すでに多くの介護現場で導入されつつありますが、AI導入のハードルが高いことは否めません。
人材不足が課題の介護業界だからこそAI導入のメリットが大きいことは明らかなので、介護事業所における意識改革をも含め、AI導入に向けた準備を一歩ずつ進めてみてはいかがでしょうか。