デイサービスとデイケアの違いとは?サービスや選び方を徹底解説!

2026/01/23

「親の足腰が弱ってきたから、どこか通える施設を探したい」

「ケアマネジャーに相談したらデイサービスとデイケアを提案されたけれど、どっちがいいの?」

高齢化が進む中、このような悩みを抱えるご家族は少なくありません。

名前は似ていますが、実はこの2つ、「通う目的」がまったく異なります。

本記事では、シルバーライフ編集部が「デイサービス(通所介護)」と「デイケア(通所リハビリテーション)」の違いを、2025年の最新情報に基づいて分かりやすく解説します。

後悔しない施設選びのために、ぜひ最後までご覧ください。

こだわりシェフおてがるシェフ

目次

デイサービスとデイケアの決定的な違い

まずは、それぞれの定義と「何のために行くのか」という根本的な目的の違いを押さえましょう。

デイサービスは「生活と交流の場」

デイサービス(通所介護)の主な目的は、「社会的孤立感の解消」と「ご家族の負担軽減(レスパイト)」です。自宅に閉じこもりがちな高齢者が施設に通い、入浴や食事、レクリエーションを通して他者と交流することで、心身の機能を維持します

  • 役割:生活支援、交流、孤独解消、家族の休息

  • こんな方へ:一人暮らしで寂しい、お風呂に一人で入るのが不安、友達を作りたい

デイケアは「医療とリハビリの場」

デイケア(通所リハビリテーション)の主な目的は、「身体機能の回復」と「日常生活動作(ADL)の自立」です。病院や老人保健施設に併設されており、医師の指示に基づいた専門的なリハビリテーションを受けに行きます

  • 役割:機能回復、医療管理、退院後のリハビリ、医師の指示

  • こんな方へ:脳卒中後の麻痺を改善したい、骨折後の歩行訓練をしたい、胃ろう等の医療処置が必要

サービス内容の比較表

両者の違いを一目で分かるように比較表にまとめました。

特に「医師」と「リハビリスタッフ」の配置に注目してください。

比較表

項目 デイサービス(通所介護) デイケア(通所リハビリ)
主な目的 生活支援・孤立防止・レスパイト 機能回復・医療的管理・ADL向上
医師の配置 義務なし 必置(必ずいる)
リハビリ担当 機能訓練指導員(看護師等が兼務可) 理学療法士(PT)・作業療法士(OT)等
医療処置 限定的(看護師がいる時間のみ) 充実(医師・看護師が常駐)
器具・設備 レクリエーション用具が中心 パワーリハビリ等の医療用機器
利用対象 要介護1〜5(要支援は総合事業等) 要支援1・2、要介護1〜5

医師の配置有無が最大のポイント

デイケアには医師が必ず配置されています。 そのため、利用中に体調が急変した場合や、インスリン注射、たんの吸引といった医療処置が必要な方でも安心して利用できます。 一方、デイサービスは提携医との連携はありますが、常駐ではないため、重度の医療依存度がある場合は受け入れが難しいことがあります。

リハビリ専門職の違い

  • デイケア:PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)といった国家資格を持つリハビリ専門職が配置されています

  • デイサービス:機能訓練指導員が配置されていますが、これは看護師や柔道整復師などが担当することが多く、マッサージや集団体操などの「生活リハビリ」が中心です

機能訓練とリハビリ(リハビリテーション)の違い

デイサービスセンター(通所介護事業所)で行われる「機能訓練」と、デイケアセンター(通所リハビリテーション事業所)で行われる「リハビリテーション」は、日常会話では混同されやすいですが、制度上および医学上は基本的に明確な違いがあります。

機能訓練の主な目的は、現在の身体機能の維持や、加齢に伴う衰えの防止(減退防止)にあります。医師の指示は不要であり、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの「機能訓練指導員」が作成した機能訓練計画書に沿って、日常生活動作の維持訓練(集団体操や歩行訓練など)が行われます。

一方、リハビリテーションは、脳血管疾患や骨折などの病気・ケガによって低下した身体機能を元の状態へ回復させ、日常生活動作(ADL)を向上させる治療的アプローチを指します。

こちらは必ず医師の診察と指示(リハビリテーション指示書)を必要とし、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といった国家資格を持つリハビリ専門職が、一人ひとりの状態に合わせた専門プログラムを計画的に実施します。

比較項目 機能訓練(デイサービス) リハビリ(デイケア)
目的 身体機能の維持・低下防止、生活の自立支援 疾患やケガによる低下機能の回復、ADL・QOLの向上
医師の指示 不要(機能訓練指導員が計画を策定) 必須(医師の診療と医学的管理に基づく指示書が必要)
主な指導・実施者 機能訓練指導員(看護師、柔道整復師、介護福祉士等) 理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)
介入のアプローチ マッサージや日常生活に即した集団体操、軽運動が中心 個別またはグループでの専門的な理学的療法・作業療法

人員配置基準(人員体制)の詳細比較

デイサービスとデイケアは、それぞれ配置が義務付けられている専門職の基準(人員基準人員体制)が大きく異なります。

デイサービス(通所介護)では、管理者、生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員の配置が義務付けられています。看護職員は常駐義務がない時間帯もあり、提供できる医療ケアには限界があります。

これに対し、デイケア(通所リハビリテーション)は、介護老人保健施設老健)や病院、診療所に併設されているため、専任の常勤医師(施設長等)の配置が法律で義務付けられています。

さらに、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職の配置が必要不可欠です。医師や看護師が常にいるため、インスリン注射や胃ろう、痰の吸引、褥瘡の処置といった高度な医療的ケアが必要な方への対応も万全な体制を整えています。

厚労省の定義で見るデイサービスとデイケアの違い

厚生労働省が定める介護保険法において、この2つの通所サービスは役割と目的が明確に書き分けられています。

通所介護(デイサービス)の定義(介護保険法第8条第7項)

居宅の要介護者に対し、入浴、排せつ、食事等の日常生活上の世話(介護)や機能訓練を提供し、社会的孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護負担軽減を図るサービス。

通所リハビリテーション(デイケア)の定義(介護保険法第8条第8項)

居宅の要介護者に対し、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、主治医の診療に基づき計画的な医学的管理の下で行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを提供するサービス。

つまり、デイサービスは「日常生活を支える介護・福祉の場」、デイケアは「医師の管理のもとで在宅復帰を支援する医療・リハビリの場」と位置づけられています。

料金・費用の比較シミュレーション

2024年度(令和6年度)の介護報酬改定により、単位数や加算が見選直されました。

一般的に、専門職の手厚いデイケアの方が料金はやや高めに設定されています。

要介護度別の料金目安(1回あたり・1割負担)

通常規模型、7時間〜8時間利用の場合の目安です(地域区分により異なります)。

要介護度 デイサービス目安 デイケア目安 差額
要介護1 約 658 円 約 762 円 +104円
要介護2 約 777 円 約 903 円 +126円
要介護3 約 900 円 約 1,046 円 +146円
要介護4 約 1,023 円 約 1,215 円 +192円
要介護5 約 1,148 円 約 1,379 円 +231円

出典1:令和6年度介護報酬改定資料厚生労働省

これに加えて、入浴介助加算やリハビリマネジメント加算などが追加されます。

週2回利用する場合、月額で1,000円〜2,000円程度の差が出ることがあります。

介護予防通所リハビリテーション(要支援者向け)の月額定額制について

要介護1〜5の方は、サービスを利用した回数に応じて支払う「出来高制」ですが、要支援1・2の認定を受けている場合は基本的に「月額定額制」の料金体系となります。

要支援者向けのデイケアサービスは「介護予防通所リハビリテーション」として提供され、1ヶ月に何度利用しても毎月の負担額は一律(基本料金)です。そのため、集中的にリハビリへ通いたい方にとっては非常に予測しやすい費用体系になるというメリットがある一方、体調不良などで通う回数が少なくなった月でも一律の定額費用が発生してしまうというデメリットも存在します。自己負担割合が1割の場合の基本料金(1ヶ月あたり)の目安は以下の通りです。

  • 要支援1:月額 約2,268円(2,268単位)
  • 要支援2:月額 約4,228円(4,228単位)

 

※なお、要支援1・2の軽度者がデイサービスに類するサービスを希望される場合は、介護保険の全国一律給付ではなく、各市区町村が運営する「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」における「介護予防型デイサービス(第1号通所事業)」の対象となります。

こちらも地域や事業所の形態、週の利用可能回数(週1回または週2回など)によって定額料金が設定されています。サービスの具体的な選択肢や利用プランについては、地域包括支援センターまたはご自身が契約している担当のケアマネジャーに相談し、生活状況に合わせた最適なプランを検討してください。

実費負担(食事・おやつ)の相場

介護保険が適用されない費用も忘れてはいけません。

  • 食費:600円〜800円/食

  • おやつ代:100円〜200円/回

  • その他:おむつ代、レクリエーション材料費など

食費は施設ごとに自由に設定できるため、手作りの豪華な食事を提供する施設では高くなる傾向があります。

失敗しない!あなたに合うのはどっち?

料金や設備だけでなく、「ご本人の性格」や「今の体の状態」に合わせて選ぶことが、長く通い続ける秘訣です。

デイサービスがおすすめな人

  • 人との会話を楽しみたい人:レクリエーションや趣味活動が豊富です。

  • お風呂をゆっくり楽しみたい人:特殊浴槽など入浴設備が充実している施設が多いです。

  • 認知症の症状がある人:スタッフが見守る中で、穏やかに過ごせる環境が整っています。

デイケアがおすすめな人

  • 退院直後で不安な人:病院と同じようなリハビリを継続できます。

  • 明確な目標がある人:「また歩けるようになりたい」「利き手を動かせるようになりたい」など。

  • 医療処置が必要な人:胃ろうや酸素療法など、看護師・医師の管理が必要です。

「併用」という賢い選択肢

実は、ケアプランによっては両方を併用することも可能です(要介護の方のみ)

  • :週1回はデイケアで集中リハビリ、週2回はデイサービスで入浴と友人とのおしゃべり。

このように使い分けることで、「リハビリ疲れ」を防ぎながら、バランスよく在宅生活を維持することができます。ケアマネジャーに相談してみましょう。

デイサービス・デイケアそれぞれのメリット/デメリット

どちらの通所介護サービスを選ぶかを判断するために、それぞれの特徴的な長所と短所を一覧で整理しました。

サービス種類 メリット デメリット
デイサービス(通所介護) ・全国の事業所数が多く、自宅近くで豊富な選択肢から選べる
・レクリエーションや趣味、行事が豊富で、他者との交流の場が多い
・医師の指示書が不要で、速やかに利用を開始できる
・医師やリハビリ専門職が常駐していないため、重度の医療ケアが難しい
・本格的なリハビリをマンツーマンで受けることはできない
デイケア(通所リハビリ) ・医師が常駐し、胃ろうやインスリンなどの医療的処置にも安全に対応できる
・PT、OT、ST等の国家資格保持者による本格的なリハビリを受けられる
・リハビリ専用の先進的なトレーニングマシンや設備が揃っている
・事業所数がデイサービスに比べて格段に少ない
・医師の診療情報提供書(指示書)が必要で、利用開始まで時間がかかる
・レクリエーションや交流の時間は少なめである

デイサービス・デイケアの1日の流れ(タイムスケジュール)

利用する際の具体的な1日の過ごし方を比較してみましょう。ここでは最も一般的な「6時間以上7時間未満」利用の場合のタイムスケジュール例です。

時間帯 デイサービスセンター(通所介護) デイケアセンター(通所リハビリ)
08:30〜09:30 専用送迎車にてご自宅までお迎え、施設へ到着 専用送迎車にてご自宅までお迎え、施設へ到着
09:30〜10:00 バイタルチェック(血圧、脈拍、体温測定) バイタルチェック(医師や看護師による健康状態確認)
10:00〜12:00 入浴、レクリエーション、集団体操 順番での入浴、リハビリ職による個別リハビリ
12:00〜13:30 食前口腔体操、昼食・おやつ休憩(利用者同士の歓談) 口腔嚥下体操、栄養管理された昼食、食後の休憩
13:30〜15:00 機能訓練、季節の趣味活動や創作・レク活動 集団体操、セラピストとの個別リハ、自主トレーニング
15:00〜16:00 おやつタイム、歌や脳トレ、帰宅準備 おやつタイム、リラックスタイム、帰宅準備
16:00〜16:30 専用送迎車にて順次ご自宅までお送り 専用送迎車にて順次ご自宅までお送り

 

※なお、上記は一般的なフルタイム(1日型)のスケジュールですが、近年では「1時間〜2時間」や「半日(午前のみ・午後のみ)」の短時間枠で、リハビリや入浴に特化したコンパクトなプログラムを提供する事業所も増えています。

リハビリ特化型(機能訓練型)デイサービスとデイケアの違い

近年、リハビリマシン等を多数配備し、まるでスポーツジムのようにリハビリやトレーニングのみに集中して通える「リハビリ特化型(機能訓練型)デイサービス」が全国的に人気を集めています。

デイケアとの明確な違いは、このサービスが「医療」ではなく基本的に「介護保険上の通所介護(デイサービス)」に該当する点にあります。最大の特徴は、医師の配置がないこと、そして利用時間が「午前中のみ」「午後のみ」の2〜3時間と短時間で構成されており、お食事や入浴、レクリエーションの時間が原則として存在しない点です。

理学療法士などの専門資格を持たない場合でも、機能訓練指導員が一人ひとりの「身体機能の維持・予防」を目的に個別プログラムを組み、トレーニング指導を行います。そのため、「お風呂やご飯、お喋りはいらないから、運動だけをしに行きたい」という明確な利用目的を持った健康志向の高い対象者に非常に適したサービスと言えます。

デイサービスの種類(大規模/小規模/認知症対応型/お泊り)

デイサービスには、利用者の希望や要介護の状態、および地域に根ざした特色に合わせて、主に以下のような種類が展開されています。

通常規模型・大規模型デイサービス

定員が数十名以上の一般的な施設。お風呂などの設備や、選択式のレクリエーション、クラブ活動の選択肢が極めて豊富です。

地域密着型(小規模)デイサービス

定員18名以下の家庭的なデイサービスセンター。少人数のアットホームな環境で、スタッフと顔なじみになりやすく落ち着いて過ごせます。

認知症対応型デイサービス

認知症ケアの専門資格を持つスタッフが配置され、環境変化に敏感な認知症の方でもパニックを起こしにくいよう、少人数かつ安心できる穏やかなケアに特化しています。

お泊りデイサービス(自主事業)

日中のデイサービス終了後、介護保険外(自費)の宿泊サービスを併設している施設。夜間のレスパイト(ご家族の睡眠確保や仕事の都合)に急遽対応できる仕組みです。

利用開始までの流れ(申込手順・必要書類)

実際に通所サービスを利用開始するまでの流れを、手続きや必要な書類と合わせて分かりやすく解説します。

  1. ケアマネジャーへの相談:利用を検討する際は、まずご自身のケアプランを作成しているケアマネジャー(または地域包括支援センター)へ相談し、本人の状態を見てもらいながら通所の方向性を決定します。
  2. 事業所の選定と見学:紹介された複数のデイサービスセンターやデイケアのパンフレットを比較し、実際に施設を見学します。
  3. 必要書類の準備:デイサービスの場合は、ケアプランと利用契約書のみで迅速に開始できますが、デイケアの場合は、必ず「主治医が記載した診療情報提供書(リハビリテーション指示書)」および「健康診断書(感染症の有無確認)」の取り寄せが必要になります。
  4. 面談と契約:施設の担当者が自宅を訪問して本人のADL(日常生活動作)や心身状態、薬の処方などを確認したうえで契約を取り交わします。
  5. 利用開始:契約から数日〜2週間(デイケアは医師の手続きがあるため2週間〜1ヶ月程度)で送迎の開始、通所がスタートします。

 

※もし「主治医がいない」などの理由で医師の指示書作成に困った場合は、担当のケアマネジャーを通じて、お住まいの自治体窓口や地域包括支援センターが指定する近隣の協力医師紹介ルートを活用することができます。

施設見学時のチェックポイント

長く楽しく利用を継続するためには、事前の施設見学が必須です。現地に足を運んだ際は、以下の4つのポイントを入念に確認しましょう。

  • スタッフ・利用者の表情と関わり:スタッフの言葉遣いが丁寧か、利用者を尊重する対応をしているか。また、他の利用者様が暗い顔をしていないか、他者との明るい交流が行われているか。
  • 施設の設備・動線・清潔度:手すりの配置や段差などのバリアフリー対策は十分か。リハビリ機器の清掃、お風呂場の滑り止め対策や更衣室の衛生管理は行き届いているか。
  • お食事のクオリティと個別対応:提供されるお食事が温かく美味しそうか。きざみ食やムース食など、個別の身体状態に応じた介護食対応が可能か。
  • 送迎体制の確認:送迎を行う車両の乗降サポート体制や、自宅から施設までの片道の実際の移動時間はどれくらいか(長時間の移動は高齢者の負担になります)。

デイサービス・デイケアどちらが向いている人の比較表(一覧整理)

「自分にはどちらが向いているのか」を、お身体の状況、利用目的、過ごし方の希望をベースに総合判定できるマトリクス表です。最適な選択のヒントにお役立てください。

利用されるご本人の状態・希望 デイサービス(通所介護) デイケア(通所リハビリテーション)
お身体の状況・疾患 ・病状は安定しているが足腰に不安がある
・認知症の進行を防ぎたい、穏やかに暮らしたい
・退院直後でリハビリを続けたい
・脳卒中の麻痺、関節症等があり専門治療が必要
・胃ろうやインスリン等の医療処置を要する
最も重視したい目的(利用目的) ・孤独を解消し、友達を作りたい
・大きなお風呂で気持ちよく入浴したい
・家族の介護負担を和らげたい(レスパイト)
・元の歩行力や生活動作を確実に取り戻したい
・嚥下リハで美味しくご飯を食べられるようになりたい
・医師の常駐体制下で安心して過ごしたい
施設での好ましい過ごし方 ・レクリエーションや歌、季節行事等で楽しみたい
・自分の趣味(手芸、将棋、園芸など)を活かしたい
・賑やかなレクリエーションはあまり得意ではない
・自分の目標に向かって個別の練習に励みたい

退院後の併用・移行に関するデータと「卒業」の考え方

厚生労働省の統計データによると、実際にデイケアを利用している方の多くが、「医療リハビリから生活支援」へのスムーズな移行プロセスとしてサービスを選択しています。

デイケア(通所リハビリテーション)利用中にデイサービスを同時利用している「併用率」は、要介護1〜2の方で約36.3%、要介護3〜5の方で約21.9%にのぼります。

また、身体機能が向上してデイケアを終了(卒業)した後の「デイサービス移行率」は、軽度の要介護1〜2で75.2%、要介護3〜5で70.5%と、多くの方が「デイケアで集中的に回復させ、生活が安定した後にデイサービスでお風呂や他者交流を維持する」という段階的な介護ルートを歩んでいることが分かります。

退院直後の最も回復しやすい3〜6ヶ月はデイケアに通い、お身体の目標が達成された段階でデイサービスへバトンタッチするという「リハビリ卒業」の考え方は、限られた介護保険の支給限度額の中で最も効率よく元気を維持する「賢いプラン設計」なのです。

施設選びで見落としがちな「食事」の重要性

施設選びの際、設備やスタッフばかり見ていませんか?

実は、利用者様の満足度を大きく左右するのが「食事」です。

「食べる楽しみ」がQOLを左右する

高齢者にとって、食事は1日の中で最も楽しみにしている時間の一つです。

「食気が美味しくない」という理由で、施設に行きたがらなくなるケースも少なくありません。

見学の際は、ぜひ以下のポイントをチェックしてください。

  • 温かいものは温かく提供されているか?

  • 季節感のあるメニュー(行事食)があるか?

  • 利用者様が残さず食べているか?

関連記事:高齢者の食事が楽しくなる工夫とは?食べない原因から実践的な解決策まで徹底解説

嚥下機能に合わせた食事形態

お口から安全に、そして美味しくお食事を召し上がるためには、ただ食べやすい形態の食事を用意するだけでなく、低下してしまった「咀嚼力」や「飲み込む力」そのものを回復させることが何より重要です。

そのため、デイケアにおいては言語聴覚士(ST)が嚥下機能(食べ物を飲み込む力)の精密な評価を行い、機能回復に向けた専門的な口腔リハビリテーションプログラムを直接指導します。言語聴覚士をはじめとするリハビリ専門職による適切な訓練と、日々の食事形態の調整が密接に連携している施設を選ぶことこそが、誤嚥やむせ込みを防ぎ、心身のQOL(生活の質)を末長く高く維持するための大きなカギとなります。

加齢とともに飲み込む力(嚥下機能)が低下します。

デイケアではST(言語聴覚士)が評価を行いますが、デイサービスでも「介護食」への対応力が問われます。

  • きざみ食:細かく刻んだもの

  • ムース食:舌でつぶせる柔らかさのもの

  • ミキサー食:ペースト状にしたもの

最近では、見た目は普通のおかずなのにスプーンで潰せる「凍結含浸食」など、技術の進歩した介護食を導入している施設も増えています。

「むせ込み」を防ぎながら、見た目の美しさも損なわない食事提供ができている施設は、質の高いケアを行っている証拠です。

関連記事:【保存推奨】介護食で栄養バランスを上手に摂る4つのコツとは?

【導入事例】住宅型有料老人ホームのケース

施設運営において、食事サービスの切り替えは大きな決断です。今回は、以前利用していたサービスの「食べ残し」に悩み、ご利用者様の健康とQOL(生活の質)を第一に考えて導入を決めた、青森県の住宅型有料老人ホーム様の事例をご紹介します。

導入の背景:飛び込み営業で知った「味の違い」

きっかけは営業担当者の訪問でした。当時、他社の食材サービスを利用していましたが、魚の生臭さなどが原因でご利用者様からの不評が続いており、食べ残しが多いことに頭を悩ませていました。 「食事に満足できないことは、長期的な健康リスクにつながる」。そう危機感を持っていたタイミングで「こだわりシェフ」をご案内し、サンプルの美味しさと価格に納得していただき、早々の契約切り替えに至りました。

導入の決め手①:食べ残しが「3分の1」に減少した確かな味

最大の成果は、目に見えて「食べ残し」が減ったことです。 以前のサービスと比較して、食べ残しの量は約3分の1まで減少。ご利用者様への満足度調査の結果も向上しました。豊富なレパートリーで飽きが来ず、「おいしい」と喜んで食べていただけることが、何よりの導入効果です。

導入の決め手②:コストを抑えつつ「管理栄養士監修」を実現

小規模な施設運営における大きな課題、それが「専門職の人件費」です。 定員30名規模の施設では、管理栄養士や栄養士を自社で雇用すると赤字リスクが高まります。しかし、当施設には専任の調理員が1名しかおらず、栄養管理や3食の手作りは物理的に困難でした。 「こだわりシェフ」は管理栄養士が監修した献立であり、調理も湯せんのみ。「管理栄養士不在でも、栄養バランスの整った食事を提供できる」という点が、コストと質のバランスに悩む施設運営の助けとなりました。

導入の決め手③:元歯科衛生士としての「食」へのこだわり

代表のT様は、元歯科衛生士という経歴をお持ちです。「食べる喜びは健康に直結する」という信念のもと、施設では嚥下体操や歯科医師による訪問ケアに力を入れています。 「口から美味しく食べる」ことを維持するためには、食事そのものの品質が不可欠。このQOL向上の取り組みにおいて、美味しく栄養バランスの取れた「こだわりシェフ」は重要な役割を果たしています。

こだわりシェフ導入事例ページをご覧の人への一言

安い食材サービスは探せば他にもありますが、ご利用者様の健康や満足度を考えた時、やはり「品質」は譲れません。 こだわりシェフは、価格・美味しさ・栄養バランスの全てが優れています。「食」を通じてご利用者様の生活を豊かにしたいと考えている施設様に、ぜひ一度試していただきたいですね。

まとめ

今回の事例は、「味の改善による喫食率の向上」と「専門職不在のコスト課題解決」を見事に両立させた好例です。 特に、「小規模施設で管理栄養士を雇うのは難しいが、栄養管理はしっかり行いたい」というお悩みをお持ちの施設様にとって、大きなヒントになるのではないでしょうか。

こだわりシェフおてがるシェフ

よくある質問

施設選びで悩んだ際や、利用開始後に直面しがちなトラブルについて、多くのご家族が抱く疑問にお答えします。

Q. デイサービスとデイケア、両方を組み合わせて使うことはできますか?

A. はい、要介護認定(要介護1〜5)を受けている方であれば併用可能です。

制度上、両方のサービスを同じ月に利用することは認められています。 実際に「週1回はデイケアで専門的なリハビリを行い、週2回はデイサービスでお風呂とレクリエーションを楽しむ」といったハイブリッドな利用をされている方は少なくありません。

  • メリット:リハビリの「効果」と、生活の「楽しみ」のいいとこ取りができます。

※要支援(1・2)の方は、原則として併用が難しい場合が多いです(自治体のルールによります)。まずはケアマネジャーに「両方使ってみたい」と相談してみてください。

Q. 「子供だましだ」「幼稚園みたいで恥ずかしい」と親が行きたがりません。どうすればいいですか?

A. 「リハビリ特化型」や「カジノ・就労型」など、大人の雰囲気が漂う施設を探しましょう。

特に男性の利用者様によくあるお悩みです。みんなで輪になって童謡を歌ったり、折り紙をしたりする内容にプライドが傷つき、拒否反応を示すケースです。 無理強いは逆効果ですので、以下の切り口で施設を変えてみることをおすすめします。

  • リハビリ特化型デイサービス:トレーニングマシンが並んでおり、「スポーツジムに行く」という感覚で通えます。

  • 趣味特化型:麻雀、囲碁、将棋、カジノゲーム、陶芸など、大人の趣味に没頭できる施設も増えています。

  • 「役割」を作る:料理の盛り付けや掃除など、「お手伝い(仕事)」をお願いできる施設だと、「働きに行く」という動機づけが生まれ、通いやすくなることがあります。

Q. 認知症がある場合は、どちらの方が良いのでしょうか?

A. 「環境の変化」に敏感な場合は、小規模なデイサービスが安心です。

一般的に、認知症の方はざわざわした環境や、人の出入りが激しい場所で混乱しやすい傾向があります。デイケアは病院のような雰囲気で、リハビリ専門職が入れ替わり立ち替わり指導するため、緊張してしまう方もいらっしゃいます。

一方、地域密着型の小規模デイサービス認知症対応型デイサービスであれば、家庭的な雰囲気の中で、顔なじみのスタッフと穏やかに過ごすことができます。ただし、医療処置(服薬管理やインスリンなど)が必要な認知症の方の場合は、医師がいるデイケアの方が安全なケースもありますので、本人の性格と医療ニーズのバランスで判断しましょう。

Q. 最初はデイケアに通い、元気になったらデイサービスに移ることはできますか?

A. もちろんです。それが理想的な「卒業」の形です。

デイケア(通所リハビリ)は本来、機能回復を目的とした期間を決めて行うサービスという側面があります。「退院直後の3ヶ月〜半年はデイケアで集中的にリハビリを行い、自宅での生活に自信がついたらデイサービスに移行して、体力を維持する」という流れは、介護保険制度が推奨する理想的なステップです

ずっと同じ施設に通い続ける必要はありません。体の状態に合わせて、その時々に最適なサービスへと乗り換えていくことが、長く在宅生活を続けるコツです。

Q. デイサービスとデイケアの料金はどれくらい違いますか?月額に換算するといくら差が出ますか?

A. 要介護度や利用時間によって異なりますが、自己負担1割の通常規模型(7時間〜8時間利用)の場合、1回あたりの差額は約100円〜230円で、医療体制が手厚いデイケアの方が高めに設定されています。週2回(月8回)利用する場合の月額の差額は、要介護1で約830円、要介護5で約1,850円程度です。この金額に各種加算(リハビリマネジメント加算や入浴介助加算など)が加わるため、実際の月額差額は1,000円〜3,000円程度になることが一般的です。

Q. デイサービスとデイケアは、ショートステイや訪問介護とどう違いますか?

A. 在宅介護サービスは「通う・泊まる・自宅に来てもらう」の3つの提供形態に分かれます。デイサービスとデイケアは施設に日帰りで「通う」サービスです。これに対し、ショートステイは施設に「宿泊(短期入所)」して介護を受けるもので、介護者の負担軽減(レスパイト)や外泊等に利用されます。訪問介護は、ホームヘルパーが利用者の「自宅に訪問」し、入浴、排せつ、食事介助などの身体介護や、調理・掃除などの生活援助をマンツーマンで行うサービスです。

Q. デイケアからデイサービスへの「卒業」は、どのくらいの期間で考えればよいですか?

A. 退院直後など、病状や身体機能が変化しやすい「最初の3ヶ月〜6ヶ月」をデイケアでの集中リハビリ期間として設定し、その後にデイサービスへ移行(卒業)するのが最も効果的で標準的な流れです。リハビリによって日常生活動作(ADL)が安定し、集中的な医療介入が不要になった段階で、運動や他者との交流の場としてデイサービスに切り替えます。利用者の心身の状態を担当のケアマネジャーがモニタリングしつつ、移行の時期を慎重に判断します。

Q. 利用開始までにどれくらいの期間がかかりますか?必要な書類は?

A. デイサービスは施設の空き状況にもよりますが、見学から1週間程度で迅速に利用開始できることが多いです。一方、デイケアは医師による「指示(指示書)」が必須となるため、主治医が記入した「診療情報提供書」や直近の「健康診断書」などの必要書類を取り寄せる必要があります。そのため、申込書類の作成や医師による確認手続き、面談等を含めると、利用開始までに2週間から1ヶ月程度の期間を要するのが一般的です。

Q. 要支援1・2でもデイケアは利用できますか?料金体系は要介護と違いますか?

A. はい、要支援認定(要支援1・2)を受けている方でもデイケアは「介護予防通所リハビリテーション」として介護保険を用いて利用することができます。料金体系は出来高制の要介護者とは異なり、1ヶ月単位の「月額定額制」が導入されている点が最大の違いです。これにより、週の利用回数に関わらず基本料金(自己負担1割の場合で要支援1なら約2,268円/月、要支援2なら約4,228円/月)が固定され、初めて利用する方でも家計管理が容易となるように設計されています。

Q. デイサービスとデイケア、それぞれの全国施設数はどれくらいですか?

A. 厚生労働省の調査によると、2022年10月時点の全国の施設数は、通所介護(デイサービス)が24,569か所、通所リハビリテーション(デイケア)が8,494か所となっています。デイサービスの事業所数はデイケアの約3倍存在するため、自宅近くで相性の良い事業所を見つけやすいというメリットがあります。一方でデイケアは、介護老人保健施設や医療機関の数が限られているため、選択肢がやや少なくなります。

Q. デイケアの場合、主治医がいないと利用できないと聞きましたが、本当ですか?

A. デイケアは医師の指示に基づいて医学的管理下で行われるリハビリを提供するため、主治医からの紹介状(診療情報提供書)がどうしても必要になります。しかし、かかりつけ医がいない場合でも諦める必要はありません。担当のケアマネジャー、あるいは市区町村の「地域包括支援センター」が自治体の指定する協力医師や医療機関へ紹介・仲介してくれるルートが整備されていますので、まずは一度ご相談することをお勧めします。

Q. デイサービス・デイケアの見学時、何をチェックすればよいですか?

A. 主なチェック項目は、①スタッフの笑顔や言葉遣い、他の利用者様の様子、②リハビリ器具の整備状況や浴室などの清潔感、③提供される昼食の味や、嚥下状態に合わせた細やかな介護食への対応力、④自宅からの送迎ルートの安全性や所要時間の4点です。特に毎日の楽しみとなる食事や、スタッフが利用者様に対して丁寧に対応しているかは、長く気持ちよく通い続けるための重要な判断材料となるため入念に確認しましょう。

Q. 精神科デイケアと、介護保険のデイケアは何が違いますか?

A. 介護保険のデイケア(通所リハビリ)が身体機能の回復や日常生活の自立を目的としているのに対し、精神科デイケアは「医療保険」が適用される全く別制度の精神科専門療法です。主に精神疾患を抱える方が、規則正しい生活リズムの確立や社会復帰、対人関係の改善を目指して病院や専門クリニックに通うプログラムであり、介護保険サービスのデイサービスやデイケアサービスとは利用目的も利用対象者も異なります。

Q. 障害福祉サービスのデイサービスやデイケアとは何が違いますか?

A. 介護保険の通所サービスは原則65歳以上の高齢者を対象としていますが、障害福祉サービスにおけるデイサービス(生活介護、児童発達支援等)や自立訓練(機能訓練)は、身体、知的、精神障害を持つ全年齢の方々を対象としています。制度や運営基準を定めている法律が異なる(介護保険法と障害者総合支援法)ため、申請手続きを行う自治体の窓口やサービス体系、受給される受給者証の種類もそれぞれ明確に区分されています。

Q. 介護保険を使わずに全額自費でデイサービスやデイケアを利用することはできますか?

A. 要介護認定を受けていない自立判定の方や、要介護認定の限度額を超えてそれ以上に回数を通いたい場合、全額自費負担(10割全額支払)であれば、要介護認定を受けていなくても自費利用枠として受け入れてくれるデイサービス事業所が一部に存在します。しかし、デイケアは医師による「医学的管理下の診療」が契約条件に含まれる介護リハビリ特化型のため、介護保険を介さない全額自費の単独通所は原則認められていないケースが大多数です。

Q. デイサービスやデイケアの利用回数に上限はありますか?(区分支給限度基準額について)

A. 法律で「週に最大○回まで」という一律の上限回数が定められているわけではありませんが、要介護度ごとに介護保険で賄える毎月の支給限度額(区分支給限度基準額)の上限が定められています。デイサービスやデイケア、ショートステイなどの居宅介護サービスを組み合わせ、その毎月の単位数枠の合計が支給上限を超過した場合は、超過した分がすべて「全額10割の自己負担」となります。そのため、ご自身の介護度に沿った安全な単位数の枠内で週に通う日数を調整する必要があります。

まとめ

デイサービスとデイケアは、似ているようで全く異なるサービスです。

  1. デイサービス:生活支援と交流がメイン。孤独解消や家族のレスパイトに。

  2. デイケア:医療とリハビリがメイン。身体機能の回復や医療管理に。

  3. 選び方:本人の「治したい」意欲と「楽しみたい」意欲のバランスを見る。

  4. 食事:長く通うためには「美味しい食事」と「安全な形態」が必須。

まずはご本人の希望を聞き、ケアマネジャーと相談しながら、複数の施設を見学してみることをおすすめします。

その際、リハビリ器具だけでなく、ぜひ「昼食の時間」に合わせて見学に行き、実際の食事風景を確認してみてください。

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