【2023年最新】介護施設の法定研修とは?年間計画の立て方やテンプレートをご紹介!

2023/11/17

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法定研修とは、法令に基づき施設・事業者が必ず実施しなければならない研修のことです。

効果的な研修を行うには、施設・事業所の実情を踏まえる必要があります。この記事では、法定研修の内容や各事業所の必須項目をまとめています。

また、すぐに使える法定研修年間計画のテンプレートをご用意しております。

介護施設の法定研修とは?

法定研修とは各種法令等に基づき、施設・事業所等が必ず実施しなければならない研修のことです。

例えば、「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」の第24条第3項には、施設・事業者側が職員に対し、研修の機会を確保しなければならないと規定されています。

また、社会福祉士及び介護福祉士法の第47条の2では「社会福祉士または介護福祉士は、社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、相談援助または介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない」と、福祉の職員や専門職の資質向上の責務について規定されています。

法定研修として行われる研修には、事故防止や感染症予防、虐待防止等、施設・事業所等が対人援助業務を行う上で守らなければならない最低限の基本事項の内容を取り扱う研修です。

行政による実地指導では、法定研修の実施について、年間計画が策定されていることと実施記録が整備されているかが問われます。

また、法定研修の実施は介護職員処遇改善加算の取得要件にも含まれており、研修の重要性が示唆されています。

研修の期間の設定はどれくらい?

法定研修の期間は、年間計画をもとに月々の計画を立てると良いでしょう。

研修計画の期間を設定する際には、職場の実状を踏まえる必要があります。

年間研修計画は通常年度ごとに作成されますが、人材を育成するには1年間という期間は短いはずです。

まずは、職場の現状を分析し、これから取り組まなければならない課題を明らかにして、課題の解決に向けた目標を設定しましょう。

その上で課題を達成するために必要なものに優先順位をつけ、いつごろにどれくらいの期間行うべきか考えます。

法定研修の手法

法定研修の実施を社内で実施する場合には自社の職員が講師となって研修を行う方法と、外部の企業に委託して講師を招く方法のほか、オンラインで研修を行う方法もあります。

自社の職員が講師をする場合には、依頼料がかからない、事業所の実情に当てはまった内容の研修が受けられる、等のメリットがありますが、知識や時間的にも講師ができる人材の確保が難しいといったデメリットが挙げられます。

外部講師を招く場合では、高い専門性や新しい知識に期待できる一方、依頼料の発生や一般的かつ基本的な内容であるため汎用性に欠ける、といったデメリットも出てきます。

オンライン研修は、時間や場所を決めることなく研修の場を設けることができるため、近年注目が高まっています。

集合研修のようにまとまった時間を確保する必要がなく、受講者が好きなタイミングで研修を受けることができます。

また、集合研修では講師によって研修の質が左右されてしまう場合がありますが、オンライン研修では常に一定の品質が保たれます。

また、学習動画を配信している企業のサービス内容によっては受講者一人ひとりの学習状況のチェックやフィードバックが簡単に行えるというメリットもあります。

オンライン研修のデメリットとしては、インターネットが使える環境の確保が必要なことや、必要な学習がうまく進まない可能性があることが挙げられます。

介護事業所ごとの必須研修項目

訪問介護 居宅介護支援 通所介護 福祉用具 特定施設入居者生活介護 介護老人福祉施設 介護老人保健施設
①認知症及び認知症ケアに関する研修
②プライバシーの保護の取り組みに関する研修
③接遇に関する研修
④倫理及び法令尊守に関する研修
⑤事故発生または再発防止に関する研修(福祉用具含む)
⑥緊急時の対応に関する研修(福祉用具含む)
⑦感染症・食中毒の予防及び蔓延防止に関する研修
⑧身体拘束の排除の為の取り組みに関する研修
⑨非常災害時の対応に関する研修
⑩介護予防及び要介護度進行予防に関する研修
⑪医療に関する教育・研修
⑫ターミナルケアに関する研修
⑬精神的ケアに関する研修
⑭高齢者虐待防止関連法を含む虐待防止に関する研修

 

介護療養型医療施設 通所リハ 訪問リハ 訪問入浴 訪問看護 小規模多機能型居宅介護 認知症対応型共同生活介護
①認知症及び認知症ケアに関する研修
②プライバシーの保護の取り組みに関する研修
③接遇に関する研修
④倫理及び法令尊守に関する研修
⑤事故発生または再発防止に関する研修(福祉用具含む)
⑥緊急時の対応に関する研修(福祉用具含む)
⑦感染症・食中毒の予防及び蔓延防止に関する研修
⑧身体拘束の排除の為の取り組みに関する研修
⑨非常災害時の対応に関する研修
⑩介護予防及び要介護度進行予防に関する研修
⑪医療に関する教育・研修
⑫ターミナルケアに関する研修
⑬精神的ケアに関する研修
⑭高齢者虐待防止関連法を含む虐待防止に関する研修

法定研修年間計画のテンプレート

法定研修の年間計画書に所定の様式はありません。以下の表は厚生労働省が参考例としている研修計画です。必要な場合はファイルをダウンロードしてご利用ください。

職員研修計画
内部
予定月 研修内容 対象者
6月 記録の書き方について 全職員
7月 認知症に関する研修 全職員
8月 身体拘束、高齢者虐待に関する研修 全職員
9月 事故発生緊急時の対応(リスクマネジメント)研修 全職員
10月 褥瘡予防研修 ショート職員
11月 レクリエーションの進め方について ショート職員
12月 感染症予防研修(インフルエンザ・ノロウイルス) 全職員
1月 プライバシーの保護について 全職員
2月 介護保険法について 全職員
外部
予定月 研修内容 対象者

福祉保健施設・事業者等職員新任研修 介護職員
事務職員新任研修 事務職員
研修担当職員研修 管理職員
痰吸引指導者養成研修 看護職員・指導看護師
介護職員等による痰吸引研修 介護職員
認定調査員新任者研修 介護支援専門員
介護支援専門員専門研修 専門課程Ⅰ・Ⅱ 介護支援専門員
口腔ケア研修 介護職員・看護職員
調理技術研修 調理師
高齢者虐待セミナー 介護職員
介護施設等看護事務者研修 看護職員
介護予防支援従事者研修 介護支援専門員
指導看護師による痰吸引研修(演習) 看護職員・指導看護師
介護職員等による痰吸引研修(演習) 介護職員
感染症予防研修 介護職員・看護職員
身体拘束・高齢者虐待研修 全職員
メンタルヘルス研修 安全衛生委員
主任介護支援専門員研修 介護支援専門員
安全衛生推進者養成講習  管理職員
リスクマネジメント研修 中堅・管理職員
介護保険の住宅改修研修 介護支援専門員

引用:『厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/2-4_159a.pdf

まとめ

法定研修は、福祉の職員や専門職にとって資質の向上のために知っておかなければならない内容の研修であり、施設・事業者側も研修の機会を確保することが義務づけられています。

研修の実施には、時間や場所、講師など現場の実情に沿った計画が必要です。

また、法定研修は直接的な技術の向上や多職種連携のための研修等の法定外研修と組み合わせることで相乗効果が図られるため、研修効果が高まります。

利用者様が安心して過ごすことができる施設・事業所を作るためには、職員の質の向上だけでなく、利用者様の満足度を上げることも大切です。

利用者様の満足度を上げる方法の一つに、美味しい食事があります。

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